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Usotsuki Hime to Moumoku Ouji.txt
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Usotsuki Hime to Moumoku Ouji.txt
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ログ描画(左上のやつ)
マップの情報描画
ロム作成時間の描画
無限ジャンプ
非操作キャラの追従
敵の情報描画
グリーンバック
操作キャラの移動を浮遊へと
当たり判定無視して移動
追従ジャンプの補正を消す
いつでもステージスキップできる
ローディングアニメの時間を短縮
予約(未使用)
デバッグフラグ全無効化
デバッグ値を使用
姫移動速度
姫ダッシュ速度
姫ジャンプ力
王子移動速度
王子ダッシュ速度
王子ジャンプ力
狼移動速度
狼ダッシュ速度
狼ジャンプ力
右スティックのカメラX移動量
右スティックのカメラY移動量
落下速度最大
ジャンプ回数
落下死距離
カメラ速度(100倍値)
狼と王子
王子の目を…
塔に忍び込む狼
幽閉された王子
お姫様にして!
変身してみよう
王子を連れ出そう
初めての手繋ぎ
旅の始まり
突然の遭遇
花のプレゼント
生肉は…
山羊との出会い
お肉は焼かなきゃ
山羊のお礼
湖畔にて
本当の姿で?
足元注意!
土竜の巣で
お花集め
土竜のお礼
嘘つき!
王子をみつけた
王子救出!魔女暴走?
怪物魔女との対峙
王子を治して…!
王子と狼
エンドロール
陽だまりの花
ある魔女の物語-1
むかしむかし、誰も思い出せないほど遠いむかし。あるところに、森に囲まれた国を治める魔女がいました。魔女は強大な魔力を使って国民の「願い」を叶え、神のように崇められていました。願いの代償は願う者の「命」。それでも、どんな奇跡も起こせる魔法の力を求めて魔女の元へ願い事に来る国民の列が途絶えることはありませんでした。
蜜集めの花
ある魔女の物語-2
「幼い娘の不治の病を治してください…私の命は差し上げます」魔女は母親の願いを叶えてあげました。しかしすぐには命を奪わず、母親を家に帰します。母親は治らないはずの病気が治った娘と抱き合い、涙を流して喜びます。「あぁ、この先も娘と生きていられたら、どんなに幸せか」そして魔女は、生きていたいと懇願する母親から命を奪い取りました。
白綿の花
ある魔女の物語-3
「村のみんなが日照りで困っている…オラの命と引き換えに雨を降らせてくれ」魔女は村の青年の願いを叶えてあげました。雨が降り歓喜に沸き上がる村に青年が帰ると、一人の村娘が青年にかけよります。彼女は青年の幼馴染の婚約者で、ようやく雨が降った喜びを分かち合おうとします。「これで二人の結婚式があげられる」と、村の人々が嬉しそうに言いました。青年の命と引き換えに降っている雨だとは、誰も知りませんでした。
虫寄せの花
ある魔女の物語-4
かつて魔女は、願いを聞き届けるとすぐに願った者の命を奪っていました。願いを聞き、命を奪い、それでおしまい。しかし、同じことの繰り返しに魔女は飽きていきました。命を奪われるのに妄信的に崇め続ける人間達にもつまらなさを感じます。だけど残酷で気まぐれな性格の魔女は、もっと自分が楽しめる方法を見つけました。願いが叶うのを見届け、「もっと生きたい」と思う人の命を奪うことです。こうして魔女は、願い主をしばらく生かしておくようになったのです。
渦巻いた花
ある魔女の物語-5
ある日のこと、魔女の元を訪ねてきた少女がこんなお願いを口にしました。「おにいちゃんに謝りたい…」少女が口にした命と不釣り合いな願いを聞き、魔女は思わず問い返します。「それが願い事かい?そんなもの、謝ればいいだろう」「でも…もうおにいちゃんには会えないから…」少女は泣きながら魔女にわけを話しました。
タコ足の花
ある魔女の物語-6
親を亡くし、兄と二人暮らしをしていた少女はある日、ささいなことで兄と喧嘩をしてしまいました。そして家を飛び出し迷い込んだ森で、獣に襲われてしまったのです。その話を聞いて魔女は思い出します。かつて「妹を助けてほしい」という少年の願いを聞いて、体をぼろぼろに食い散らかされ、今にも死にそうな少女の命を助けてやったことを。
蒼泪の花
ある魔女の物語-7
たとえ魔女の魔法でも死んだものを生き返らせることはできません。しかし願いの代償で奪った命は魔法の力で結晶となり残っています。魔法で兄の魂をこの世界に呼び、少しの間だけ話ができるようにしてやりました。つまらないことで怒ってごめんね、と兄の魂に謝る少女を見て、魔女は、こんなことで命を投げ出すなんて愚かなやつだ、助けた兄も報われないなと、理解できない気持ちでいっぱいになります。
反響の花
ある魔女の物語-8
その後、魔女は少女の命を奪わずに一緒に暮らすようになります。生きたいという気持ちのない少女の命を奪っても、魔女は面白くありません。何より、気まぐれな魔女は少女の奇妙な考えかたに興味を持ったのです。素直な少女との生活は魔女の残酷な性格を少しずつ変えていきました。願いの代償に命を奪うのをやめようかとすら考えるようになっていました。次第に、少女は魔女にとって初めてできた大切な他人となっていったのです。
熱を帯びた花
ある魔女の物語-9
そんなとき悲劇が起こります。悪意のある命の取り立てをしてきた魔女を恨んでいる人達が、少女のことを魔女の仲間だと考え、魔女の居ない隙を狙って殺してしまったのです。そのことを知った魔女は怒り狂い、魔力を暴走させ、巨大な怪物に変わります。そして国中を破壊しつくし、ついには国を滅ぼしてしまいました。
罪滅ぼしの花
ある魔女の物語-10
怪物から元の姿に戻った魔女は少女の亡骸に魔法をかけ、結晶へと変化させます。魔女は、自分にとって一番大切な者の結晶とともに森の奥へと消えてゆきました。その後の魔女の行方はわかっていません。森の奥に住み、あるものと引き換えに願いを聞く魔女がいるという噂もあります。だけどそれがこの魔女なのかどうかは、誰にもわかりません。この魔女のお話は、これでおしまい——
冷やかな螺旋塔
森囲われの城
序章
木漏れ日小道
入らずの森
第一章
光花の群生地
眠り亀の巣
垂れ苔のカーテン
綿積りの白道
巨大笠の苗床
第二章
白糸の吊橋
苔クジラの亡骸
記憶の墓
見つめる小黒鳥
魔女の庭
第三章
連なる嘆き籠
虚ろ樹の丘
魔女の黒沼
泪花の星空
青淵の洞
第四章
蒼海があった場所
古の記憶が眠る場所
骨魚のトンネル
灰降る森
罪火の森
第五章
弾ける籠火
鳴き花の叫び
踊る黒と赤
古き童話の残照
魔女の館
終章
タイトルステージ
王子の牢屋
狼が歌う森
森の小道
森のキャンプ
山羊の小屋
湖のほとり
とある花畑
ちょっとした崖
土竜の巣
きれいな花畑
燃える森で王子を助ける
ラスボス前
森の魔女の家
森の魔女の家(壊れ)
テストステージ01
テストステージ02
テストステージ03
テストステージ04
テストステージ05
テストステージ06
テストステージ07
テストステージ90
テストステージ91
テストステージ92
テストステージ93
テストステージ94
テストステージ95
テストステージ96
テストステージ97
テストステージ98
テストステージ99
タイトル画面
スタッフロール
お城ステージ
普通の森ステージ
キノコの森ステージ
魔女の森ステージ
洞窟の森ステージ
炎上の森ステージ
ラスボス戦
デモ用・はじまり
デモ用・魔女のテーマ
デモ用・王子と姫の仲良しテーマ
デモ用・緊迫感
デモ用・不安
デモ用・悲しい
デモ用・別れ
カーソル移動
決定
キャンセル
メニューオープン
メニュークローズ
オマケ物語 ページ遷移音
しおり表示
ページめくり音
ギミック攻略
サウンド10
歩行音 - 土
歩行音 - 草
歩行音 - 木
ダッシュ音 - 土
ダッシュ音 - 草
ダッシュ音 - 木
ジャンプ音 - 土
ジャンプ音 - 草
ジャンプ音 - 木
着地音 - 土
着地音 - 草
着地音 - 木
着地音 - 倒れ
変身音
花を摘む
お願いをする
お願いを聞く
花を受け取る
壁にぶつかる
物を持つ
物を置く
物を持つ失敗
攻撃音 - ヒット
攻撃音 - 空振り
攻撃音 - うなり声
攻撃音 ダメージ無し
サウンド26
サウンド27
サウンド28
サウンド29
サウンド30
サウンド31
サウンド32
サウンド33
サウンド34
壊せるオブジェクト_衝撃音 - 木
壊せるオブジェクト_破壊音 - 木
殴ると動く台_衝撃音
レバー_駆動音
感圧スイッチ_駆動音
シーソー_衝撃音
シーソー_傾き音
リフト_駆動音
扉_駆動音
重さで壊れる床_崩れそう
重さで壊れる床_崩壊
跳ね橋_駆動音
バネ_駆動音
片方上がると片方下がる足場_駆動音
移動スピードが遅くなる床_床上を歩いた時の音
かがり火_燃える音
狼で壊せない燃やせるもの_燃える音
狼で壊せない燃やせるもの_衝撃音
ランタン_王子が持った時の音
ランタン_王子が置いた時の音
ランタン_着火音
重石_接地音
トランポリン_駆動音
殴ると模様が変わる水晶_駆動音
ワープ_駆動音
正解音_
不正解音_
ラスボス攻撃_木の根を生やす
ラスボス攻撃_地響き
花びら取得SE
サウンド35
サウンド36
サウンド37
サウンド38
サウンド39
サウンド40
サウンド41
サウンド42
乗れる敵_歩行音
恥ずかしがり敵_歩行(飛行?)音
恥ずかしがり敵_攻撃音
恥ずかしがり敵_硬化音
殴ると玉を飛ばす敵_玉飛ばし音
投げ飛ばし敵_つかみ音
投げ飛ばし敵_投げ飛ばし音
風起こし敵_風の音
サウンド9
サウンド11
サウンド12
サウンド13
サウンド14
サウンド15
サウンド16
サウンド17
サウンド18
サウンド19
槍兵士_歩行音
槍兵士_やられ
徘徊小型敵_歩行音
徘徊小型敵_攻撃音
徘徊小型敵_やられ
飛び跳ね小型敵_歩行音
飛び跳ね小型敵_攻撃音
飛び跳ね小型敵_やられ
突進中型敵_歩行音
突進中型敵_突進音(ダッシュ音)
突進中型敵_溜め足踏み音
突進中型敵_溜め鼻息音
突進中型敵_やられ
飛行小型敵_飛行音
飛行小型敵_やられ
飛行小型敵_攻撃音
ラスボス_ダメージ
ラスボス_死亡
ラスボス_能力
ラスボス_能力2
ラスボス_ワープ展開
サウンド24
サウンド25
ページめくり
歌
拍手
茂みの音
獣の走る足音
小石のパラパラ音
斬撃音
布ズレ音
落下音
矢の飛ぶ音
魔法
敵の鳴き声
攻撃
滴る音
夜の雰囲気
下手歌
地面が少し崩れる
土竜が出てきた
口を開く音
突き飛ばす
花を食べる
変身する音
炎上音(弱)
炎上音(中)
森の異変
地響き
木々の倒れる音
巨大な怪物の咆哮
魔法発動
魔法の継続音
サウンド43
サウンド44
サウンド45
サウンド46
サウンド47
サウンド48
サウンド49
サウンド50
サウンド51
サウンド52
サウンド53
サウンド54
サウンド55
Ⓗ移動
Ⓛ攻撃
Ⓞ走る
Ⓚジャンプ
この足場は二人で乗ると壊れてしまいそうです。王子と手を繋いで、Ⓖで「歩いて」とお願いしてみましょう。
この石、王子に持ってもらえそうです。Ⓕで「持って」とお願いしてみましょう。
Ⓕで「置いて」とお願いしてみましょう。
不思議な水晶が並んでいる。姫で近づいてⒿで触れてみよう。
ひとつとふたつふたつとみっつみっつとひとつかけあわせ道は開かん
まよい人を導く大鳥みぎによっつの翼を持ちひだりに■っ■の■■■つ(一部かすれて読めない)
魔女の庭に飾られるは数々の蒐集品。この地(連なる嘆き籠)を彩るあか、き、あおの珠を数えあげよ。
眠り亀。それはたった1年じゃあ目覚めない。次の目覚めはきっと、君が土へと還る頃。
森の奥にある苔クジラの亡骸は、数年にいちど、4日かけて瞬きをするという噂がある。
魔女の黒沼は瘴気を放つ毒の沼。もし足を踏み入れたのなら、3秒経つ前に離れなさい。
泪花の青い光に照らされるこの洞窟は、かつて水で満ちていた、2億の記憶が眠る場所。
ステージ4-4 ヒント1
これは数の集まり。4つの物語を探しだせ。それぞれの物語を数の集まりと重ね合わせ、数が重なる数をしめせ。
みぎは近道。したは困難の道。
これはランタンです。王子に「持って」もらい、かがり火に近づいてみましょう。
化け物の中には火を怖がり、近づいてこなくなるものが居るようです。
(王子にここまで来てほしい…ちょっと離れてるけどお願いできないかな…?)Ⓖでお願いをしてみましょう。
これからは少しはなれていても王子にお願いができるようになりました。
Ⓜで変身して姫の姿で檻に近づいてみましょう。
檻を攻撃して壊しましょう。
姫で王子に近づき、Ⓛで王子の手を取りましょう。
手を繋いだまま歩くと王子がついてきます。王子の手を引いてお城から連れ出しましょう。
レバーは姫の姿で近づいて、Ⓙで動かすことができます。
姫の姿で花に近づいて、Ⓙで摘みましょう。
王子に近づいて、Ⓙで花を渡すことができます。
王子をランタンの側に連れていき、Ⓕで「持って」とお願いをしてみましょう。
強い衝撃を与えると種を飛ばす花です狼で攻撃してみましょう。
ランタンの火は時間が経つと消えてしまいます。
火は暗闇を照らします。
火の消えたかがり火に火のついたランタンを近づけると火をつけることができます。
王子を肉の側に連れていき、Ⓕで「持って」とお願いをしてみましょう。
壊せそうな箱です。狼で何回か攻撃してみましょう。
この石は王子でも持てそうです。「持って」とお願いしてみましょう。
月の光に触れると、狼の姿に戻ってしまいます。
この絡まった蔦は狼でも壊せないようです。燃やすことはできるかもしれません。
鍵を持った状態で扉に触れると開きます。
今にも崩れそうな床です。2人以上の重さのものが乗ると崩れるでしょう。
狼は2人分の重さがあります。
今にも崩れそうな床です。3人以上の重さのものが乗ると崩れるでしょう。
高いところから落ちても、キノコの上に着地すれば大丈夫なようです。
この化け物からは敵意を感じません。近づいても大丈夫かな…?
魔女の魔力で狼に変身することができない!!
崩れそうな床の上でも、カメの背中の上に乗って進めば大丈夫。
はい
いいえ
このステージをやりなおします。※今のステージの進行状況はリセットされます。
このステージをスキップして、次のステージを始めます。※取得していないアイテムは取得されません。
タイトル画面に戻ります。※今のステージの進行状況は破棄されます。
このステージへ移動します。※今のステージの進行状況は破棄されます。
このメモリーを再生しますか?
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本当に大丈夫ですか?
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ロードしたセーブデータが壊れています。
Ⓐ移動
Ⓙ決定
Ⓚ戻る
Ⓜセーブデータ削除
これは、どこか異国の小さな恋のお話です。
あるところに…小さな王国を取り囲む、闇深い森がありました。
昼でも薄暗い闇の広がるその森は、魔女が支配し、人食いの化け物が徘徊する恐ろしい森でした。森の闇は奥深くへ行くほどに濃さを増し、人々はその闇を恐れ、森の中へ入る者はほとんどいませんでした。
そんな恐ろしい森ですが、月夜の晩には、とても美しい歌声が聞こえてきます。
歌声の主は、狼を思わせる姿の化け物。彼女は、自らの美しい歌声を誇らしげに、毎夜、この小高い岩の上で、月に向かって歌うのでした。
そんな狼の歌に、変わり者の客が一人。森に囲まれた小さな王国に住む、人間の王子です。
狼の美しい歌声に誘われて、いつのころからか王子はめったに人の寄り付かぬ、この恐ろしい森へ、毎夜通うようになっていました。
狼の歌が終わると王子はぱちぱちと拍手を送ります。歌声の主の姿は小高い岩の上に隠れて見えません。でも、そんな姿も名前も分からない歌声の主への王子の興味は、膨らんでいくばかりでした。
歌い終わった狼は、ちらりと人間の王子を一瞥します。狼は人食いの化け物です。だから、はじめて王子が歌を聞きに来た時には、馬鹿な獲物だ、歌い終わったら食べてしまおうと思っていました。
でも、王子から無邪気な拍手を送られ、今まで歌をほめられたことのない狼は、最初は戸惑いましたが、そのうちに悪くない気持ちになり、なんだか食べる気がなくなってしまったのでした。
そんな夜を何度か繰り返した狼は、今では王子の拍手を楽しみに歌を歌うようになっていました。
だけど…狼は考えます。わたしの正体が化け物だって知られたら、人間の王子は怖がってもう歌を聞きに来てくれなくなるかもしれない…と。狼は王子に姿を見られることを恐れるようになります。
この日も、歌い終えた狼は王子の拍手を聞きながら森の影へと逃げるように姿を隠すのでした。
そんな夜が何度か繰り返され、季節が変わるころ…今夜も狼は月に向かって自慢の歌を歌います。それは狼にとって、いつもと変わらない静かな夜です。
ですが、王子にとっては特別な夜でした。王子はこの日、小さな決意を抱いて森に入ります。
その決意とは、歌声の主に会うこと。歌声の主に会って、もっと仲良くなりたい…そんな気持ちを胸に王子は小高い岩を登ります。
歌っていた狼は、その異変に気づくことができませんでした。ようやく気がついたのは歌い終えた時。いつもはすぐに鳴り響く王子の拍手が聞こえません。
どうしたんだろうと足元を見てみると… すぐそばまで王子がやってきているではありませんか!
姿を見られたら嫌われちゃう…!狼は突然のことに大慌て。見られちゃいけない、そんな気持ちで大きな手を王子の目元へ伸ばします。
…その手についた爪が王子の目を引き裂くことになるとは、思いもしませんでした。
突然襲いかかってきた衝撃に、王子は岩から足を滑らせてしまいます。この高さから人間が落ちたら…狼は慌てて王子の腕を掴みます。
その時王子の腕に伝わったのは、ぞわぞわとおぞましい毛の感触。何もわからぬまま目を傷つけられた上に、得体の知れない恐ろしいものに腕をつかまれた王子の恐怖は一体どれほどのものだったでしょうか。
王子は狼の手から逃れようと必死で暴れます。悲鳴をあげながら、じたばたと。その悲鳴を聞いた狼は、王子を怖がらせていることに動揺し、思わずするりと王子の腕を離してしまいます。
どさっ…王子は岩の下へと落ちてしまいますが…幸いなことに茂みの上に落ち、大きな怪我はないようです。…狼に引き裂かれたその目以外は…ですが。
その時、王国の兵士が現れ、王子のもとへ駆け寄ります。王子の悲鳴を聞いて、近くを見回っていた兵士が様子を見にきたのです。
岩の上に王子を傷付けた化け物が居るに違いないと、兵士は慌てて矢を放ちます。狼は王子のことが気がかりでしたが、矢の雨に追われては森の中へ逃げ込むしかありませんでした。
深い傷を負った王子は少しずつ 意識を失っていきます。その目と腕に、忘れられない恐怖の記憶を深く深く刻みつけながら…
あれから何度かの夜が過ぎて…。
化け物に顔を引き裂かれ光を失った王子は王族として二度と人前には出せないと両親から失望され、お城の塔に幽閉されてしまいます。
王子のことが気になっていた狼はお城の兵士の立ち話を聞き、王子が幽閉されていることを知ります。なんてひどい話なの、と憤慨した狼は王子の安否を知るため塔へと忍び込むのでした。
とある一室にたどり着いた狼が目にしたのは、冷たい牢屋に横たわる王子の痛々しい姿。
誰かが入ってくる気配を感じ、王子は顔をあげます。その顔にはまるで汚いものを隠すように大きな布がぐるぐると巻かれていました。
「王子…」狼は思わず声を漏らします。
「その声は…森で歌っていた人…?」声だけでわかるんだ…と狼は少し驚きます。
「う、うん…、そうだよ」「僕、あそこで化け物に襲われちゃって… でも、君は大丈夫だったんだね。よかった…」
王子は安心したように少し微笑みます。そんな王子の姿を見て、狼の胸が少し痛みます。
「会いに来てくれてありがとう。でもどうやって…?」王子の素朴な疑問に、狼は答えに困りますが…
「わ、わたしは隣国の姫なの。 王子のお見舞がしたいって言ったら通してくれたわ」狼は王子の目が見えないのをいいことに、とっさに嘘をつきました。
「それより、王子がこんなところに 閉じ込められるなんておかしいわ」
「でも僕…、化け物に顔をぐちゃぐちゃにされちゃって… 目も見えなくなったし…二度と人前に出ちゃだめだって、 だからもう外には出られないと思う…」王子はうつむきながら言いました。
「だったらその目、森の魔女に治してもらおうよ」思わぬ提案に王子はきょとんとします。
「森の魔女…?絵本に出てくる、あの森の魔女?」「絵本…?それはよくわかんないけど… 森の魔女はなんでも願いを叶えてくれる。 きっとその目も治してもらえるわ」
「魔女は森の奥深くに住んでるんだけど、 わたしが連れて行ってあげる」狼はいいことを思いついたと、ウキウキした様子です。だけど王子はうつむいたままでした。
「こんな僕を森の奥まで連れて行くのは大変だよ…それに…」「…僕の目を潰した化け物のおぞましい手の感触が ずっと腕に残ってるんだ…」王子は言葉に詰まり、その肩は小刻みに震えていました。
王子の言葉に狼は目線を落とします。目に映るのはぞわぞわとした傷つけることしか知らない手。その手には王子を傷つけた感触がかすかに残ります。
王子をここから連れていきたいけど、この化け物の手では、王子の手を引くことすらできない。
狼は強く強く手を握りしめました。そうして、もう一歩王子の方へ歩み寄ります。
「王子。やっぱりわたしが連れていくわ」狼の声に王子がゆっくりと顔をあげました。「でも、少しだけ待っていて。必ず迎えにくるから」そう言い残すと狼は塔を出て、森の中へと走り出しました。
一晩中森を駆け抜け、狼がその館についた頃には月は沈み、森は朝の光に包まれていました。
突然の来訪者に森の魔女は目元をゆがめます。「おやおや、これはめずらしい客だ! 人食い狼がわざわざこの魔女の館まで…一体何の用かな?」
「わたしを人間にして! ここまで連れてきてあげたい人がいるの!」ずる賢い狼に似合わぬ懸命な態度を見て、森の魔女は可笑しそうにくつくつと笑います。
「人食い狼が人間にだって?! 面白いことを言うじゃないか、いったいどうして… いいや!おおよそ見当がつくから言わなくていいよ」魔女の嘲るような物言いに狼はぐるると唸ります。
今にも噛みつきそうな狼を制するように魔女は狼の鼻先に杖を突きつけました。「もちろんその願い、叶えてあげるよ」
「その代わり…分かっているね?」どこからともなく無数に現れた、禍々しく輝く怪しい球体の内の一つを引き寄せ、魔女は愛おしそうにほうとため息をつきます。
「なんて美しいんだろう… どれひとつとして同じ輝きはない、唯一無二の逸品たちだよ」魔女の手の中で球体はぼんやりと淡く輝きます。
魔女は願いを叶える代償として願いを持つ者の一番大切にしているものを魔法で取り上げ、悪趣味な結晶に加工して愛玩する蒐集家でした。
「美しさの隠し味は、大切な物を取り上げられた無念の心だね。 放つ光にほのかな禍々しさが加わり、最高のスパイスになるのさ」
「お前のはどんな輝きを見せてくれるんだろうねえ」魔女は値踏みをするように狼の瞳をのぞき込みました。「お前からは…そうさね。 その歌声を代償にいただこうかね」
「わ、わたしの歌声ね…」狼は魔女の悪趣味を知っていたので、歌声を求められることはすこし覚悟していました。それでも狼の心は揺れ動きます。
王子が褒めてくれた自慢の歌声と、王子の手を引く人間の姿との間で… そして…
「…わかった、わたしの歌声を差し出すわ…!」その時、魔女の被っている仮面の口元が、まるでニヤリと笑っているかのように歪んで見えました。
「いい覚悟だねぇ。交渉成立だよ!」
「プライドの高いお前から、願いの代償を取れるなんてね。 人生なにがあるか分からないもんだ。私は上機嫌だよ。 せっかくだし、サービスをしてやろうじゃないか」魔女の目が怪しくきらめきます。
「お望みの姿に変えてやろう。ご希望はあるかい?」その言葉に狼は王子の手を引く自分の姿を思い描きました。
「…お姫様みたいにして」魔女は狼の言葉にくつくつと笑みをこぼします。
「これはこれは…。可愛らしい趣味だね」
「だけどいいのかい?あんたもお相手も人間の姿じゃ ここまで来る前に化け物のお腹の中だよ」人間を連れてくることまでお見通しな魔女に薄気味悪さを感じながら、狼はそれは困るわ、と頭を抱えます。
「考えてなかったのかい、ずる賢い割に抜けてるところのある狼だよ」「それじゃあ、少しばかり法式に手を加えてあげよう。 いつでも狼の姿に戻れるようにね」魔女の指先に魔法の色がともり始めました。
狼の体を魔法の光が包み込み、 光の一部は魔女の元へ集まります。
「あんたの歌声は確かに受け取ったよ」魔女はくつくつと嬉しそうに笑います。そして狼を包む光が一際大きくなり…やがて収まりました。
「…まだ狼の姿のままみたいね」拍子抜けした様子で狼は言います。「ややこしい法式だからね、 体が魔法に馴染むまで一晩かかるよ」
用が済み、館を出ようとする狼の背中へ魔女が声をかけます。
「そうそう。月の光には気をつけるんだよ。 狼の力は月の光を受けると強くなる。 そしたら人間の姿で居るのは難しいだろうからね」
「わかったわ。ありがとう!」
もうすぐ人間になって王子の手を引いて歩ける…なんて素敵なんだろう!期待と喜びで胸をいっぱいにしながら、狼は再び王子の待つお城へと駆け戻るのでした。
魔女の館を出て一夜が過ぎ、狼は王子の居るお城の塔へ戻ってきました。一晩経ったら姫の姿へと変身できるようになる…狼は魔女の言葉を思い出します。
王子はもう目の前です。狼は姫への変身を試してみようと思いました。
「王子…」”姫”は王子に声をかけます。「姫…?戻ってきてくれたんだ。 ありがとう…でも…」
「大丈夫だよ、王子を連れ出すために色々準備したんだから!」姫は王子を不安にさせないよう明るく言います。
まずは王子を檻から出さないと。この檻なら狼の力で壊せそうです。そのためには王子に檻から離れてもらわないといけません。
「えっと…その…ちょっと檻から離れてくれる…?」「う、うん わかった」姫の言葉に戸惑いながらも王子は牢の奥へと下がりました。
姫はおそるおそる王子の手を掴みます。王子は少し怯えながらも、弱々しく姫の手を握り返しました。歌声を引き換えてでも、人の姿を手に入れてよかった…姫は王子の手のぬくもりを感じ、喜びを噛み締めます。
「さあ、森の魔女のところへいきましょう。 ちゃんとわたしについてきてね」
こうして、王子の目を治すため、化け物の森を越えて魔女の館を目指す嘘つき姫と盲目王子の旅が始まったのです。
森を歩く姫と王子は、何やら楽しそうに話をしています。姫は野山を駆けることが好きだとか、王子は本を読むことが好きだとか…
「いろんな花のことが書いてある本も好きだよ。 あんまり外に出してもらえないから 外の世界でたくさんの花を見てみたいって思ってたんだ」そんなことを話していると…
がさがさ!という音と共に、突然、茂みから小さな化け物が現れ王子へと飛びかかります。
もうほんの少しで王子の頭は化け物にがぶりとかじられてしまうところでしたが、間一髪、素早く姿を戻した狼が化け物を払いのけました。
でも、王子にとっては暗闇の中での突然の出来事です。怖くなってその場にしゃがみこんでしまいました。少し前にこの森でこわい目にあったばかりなので、無理もありません。
なんとかしないと、と狼は慌てます。でも、怖がる人間に何をしてあげればいいのか狼には全然思いつきません。
すがる思いで周りを見渡します。そこで狼の目に入ってきたのはきれいな花畑。その花畑を見てさっきの王子の話を思い出しました。そうだ、王子に花をもってきてあげよう!
「王子、これあげる」姫は王子に一輪の花を手渡しました。
「これは…花…?いい匂い…」「そう、王子さっき花の本が好きって言ってたから」姫の言葉に王子は嬉しそうに微笑みました。
「ありがとう!どんな花だろう、目が見えないのが残念だなあ… でも、これで目が治る楽しみがひとつ増えたよ」王子の様子を見て、姫は一安心です。
「何かお礼がしたいな… そうだ、姫はあまり本は読まないんだよね。 良かったら僕が本で読んだお話を教えてあげようか?」
こんなに喜んでもらえるなんて。王子ととても仲良くなれた気がして、姫は嬉しくなりました。花畑を見かけたらまた花を摘んできてあげよう、そう姫は思うのでした。
どれほど歩いたでしょうか。気が付くとあたりはすっかり暗くなっていました。姫は慣れない人間の姿で、王子は見えない目で危険な森を歩き続けたので二人ともくたくたです。
二人のお腹がぐうと鳴り始めた頃、丁度よく休めそうな場所が見つかりました。
「王子、今日はここで休みましょう」姫は王子にそう告げると、夕食の準備を始めました。
「じゃん!」姫はとっておきの肉を取り出しました。「さあ王子、どうぞ召し上がれ!」
肉は姫の大好物です。きっと王子も喜んでくれるはず!と、にこにこしながら、ぬるりと血が滴る肉を王子に手渡しました。
「ありがとう」差し出された肉を口にした王子はうーん、と首をかしげます。
「なんだか…不思議な味だね」「獲れたての新鮮なウサギのお肉よ!どう?おいしいでしょ」姫は自信満々に胸を張ります。しかし…
「も、もしかして生のままのお肉…!?う…げほっ…」王子は思わず口にしたものを吐き出してしまいました。喜んでもらえるとばかり思っていた姫は、きょとんとして王子を見つめています。
「ご、ごめんね。僕の国ではお肉を生で食べることがなくて…」むせながら謝る王子を見て、姫はばつの悪そうな顔をしました。
「そうなんだ…。じゃあ、お肉はどうやって食べてるの?」「僕の国ではお肉は火で焼いて食べるんだよ。 生で食べるとお腹をこわしちゃうから…」
「えっ 火を使うの…?」火、という言葉に姫はびくりと身体を強張らせました。化け物たちは火が大の苦手です。それを使うだなんて…想像しただけで姫はこわくなりました。
「そ、そっかぁ…ここには火が無いから、 代わりに果物を取ってくるね」火を使うことができない姫は、そういってその場をごまかしました。
目指す魔女の館は遠く、いつの間にかあたりは暗くなってきました。二人は一晩を過ごせるところを探し始めます。
ほどなくして、少し開けた場所にキノコに飲まれて今にも崩れそうな小屋を見つけることができました。
「だいぶボロボロだけど…一晩なら休めるかな…?」姫は王子に声をかけ、二人しっかり手をつないで小屋へと入っていきます。
小屋の中は森よりも一層暗く、ぼんやりとした影が暗闇の中にいくつか見えるのみ。姫はじっと目を凝らしてそれが何かを確かめます。
「わっ、死体だらけ」夜目が利く姫が暗闇の中に見たものは、部屋の中に無数の山羊のような化け物が倒れている光景でした。
「えっ、死体だらけ!?」王子はびっくりして姫の言葉を繰り返します。
「でもちょうど良いわね、お腹もすいてたし、 今日はこれを晩ごはんにしましょう」
「ええっ!?!?」王子は小屋に住んでいるのは人間だと思っています。姫がとんでもないことを言い出して、王子は大混乱です。
戸惑う王子を置いてけぼりにして、味見とばかりに狼は山羊の死体にかぶりつこうとします。
狼の口に生えた大きな牙が山羊の腹に食い込むその寸前、山羊がよわよわしく呻きました。
その声を聞いた王子は慌てて狼に声をかけます。「ひ、姫、その人たちまだ生きてるよ!」
狼はちっ、と心の中で舌打ちをして、しぶしぶ食べるのをやめます。この森で弱った生き物が食べられるのは自然の掟なのに。
少し恨めしそうな目で王子を見つめながら、王子が相手を人間だと思ってるなら仕方ないか、と自分に言い聞かせます。
王子は山羊に声をかけ、彼らの話に耳を傾けます。「姫、この人たち、お腹がすいて動けないみたい。 助けてあげられないかな…」
王子ともっと仲良くなりたい狼は、このお願いを断ることができませんでした。こうして、狼と王子は、山羊たちのために何か食べ物を探すことになったのです。
姫と王子はたくさんの肉を抱えて山羊の小屋に戻ってきました。姫は肉を山羊に差し出し得意げにいいます。「たくさん獲ってきたわ。さあ食べて」
それを王子が慌てて止めます。「まって姫!まだお肉焼いてないよね…?」山羊は化け物なので生肉は大好物です。でも、目の見えない王子は相手を人間だと思っています。
これ以上生肉のことで何かあると自分が化け物だと気づかれてしまうと思った姫は、王子の話に合わせることにしました。
「う…そうね、焼いてあげたほうがいいわね。 でも私、火って使ったことないから、やりかた教えてほしいな」姫は調子よくその場をごまかします。
そして王子に教えてもらったとおりに火をつけようとする姫ですが…。
「きゃーーーー!だめ!こわい!!」もともとが狼の化け物なので、どうしても火を怖がってしまいます。しまいには、わんわん泣いて王子に助けを求めます。
王子は目が見えないので上手く火をつけられる自信はありません。だけど姫が助けを求めてくれたことが嬉しくて、引き受けたいと思いました。
「…わかった、やってみるね」王子は姫のために、ちょっとだけ勇気を振り絞ったのです。
王子の協力のおかげで、肉がこんがりと焼きあがりました!山羊たちは大喜び。「焼いた肉も案外いけるね〜」そんなことを言いながら、たくさんあった肉をぺろりと平らげます。
「ありがと〜たすかったよ〜 もうすこしで飢え死にするところだったよね〜」山羊のうち一匹が姫にお礼を言います。
「よかったわ、それより今晩ここに泊めてもらえない?」姫は抜け目なくお願いをします。
「いいよ〜、今夜はうちに泊まっていきなよ〜 きのこまみれのきたないところだけど〜」山羊達は快く二人を受け入れました。
長い一日が終わり、夜が更けていきます…王子は旅の疲れもあり、ぐっすり眠っています。ですが夜行性の狼はまだ眠れないでいました。
眠れない狼が小屋の外をうろうろしていると、一匹の山羊が小さなウサギを追い回しているところにでくわしました。ウサギはすばしっこく逃げ回り、とうとう山羊は獲物を捕まえそこねました。
「あ、狼さん〜狩りってむずかしいね〜 なのにあんなにたくさんの肉を あっというまに獲ってこれるなんて狼ってすごいな〜」山羊は無邪気に狼の狩りの腕をほめてくれます。
そんなほめ言葉に狼は曖昧な返事を返します。王子に「狼」と呼ばれるのを聞かれてないか心配なのです。早めに話を切り上げなきゃ、と狼が考えていると…
「ところで、一緒に連れてる人間は非常食かい?」山羊の唐突な質問に 、狼は不意をつかれどきりとしました。
「いいアイデアだね〜 ぼくらも飢え死にしないようにマネしようかな〜 あ、でもぼくならもっと太った人間をえらぶな〜 あんなにやせっぽちだと、食べごたえないもんね〜」
化け物たちにとって、人間を食べることは当たり前のことです。なのでこの会話は化け物同士の普通の会話。狼も王子と旅に出るまでは、これが普通だと思っていました。ですが、今の狼には山羊の言葉がとても恐ろしく聞こえます。
「ち、違う!王子はそんなんじゃない!」狼は思わず否定します。狼の態度を見た山羊は何かを察した様子。
「あれ〜?もしかしてきみ、 人間と仲良くしたくなっちゃったってやつ〜?」山羊に気持ちを言い当てられた狼は、素直にそうとは言えず、ただ黙ってしまいます。
「化け物と人間が仲良くなれるわけないよ〜」王子と仲良くなれるわけがない…まるでそんなふうに言われた狼は、口を開いてなにかを言い返そうとします。 だけど言葉が出てきませんでした。
「きみもよく聞くでしょ〜 化け物のほうがうっかり人間を食べちゃったり 人間のほうが化け物を裏切ったり〜」狼はうつむいて聞いています。山羊は続けます。
「ロクなことにならないよ〜 …あ、でも恩人のきみがやりたいことだからね〜 ぼくは応援するよ〜」がんばってね、と山羊はのそりと小屋へ戻っていきました。
狼は自分の寝床で体を丸め、眠ろうとします。でも、山羊の言葉が頭の中で何度もぐるぐると駆け巡って落ち着きません。これまでは王子の手を引く嬉しさで怖いものは何もないと思っていました。
でも自分の本当の姿は王子が嫌っている化け物です。それに王子の目を傷付けたのは自分だということも黙っています。このことが王子に知られたらすべておしまいです。
バレなければ大丈夫…狼は自分に言い聞かせます。「そう…バレなければ大丈夫…」狼は結局この夜、一睡もできませんでした。
翌朝…
魔女の森へと出発する姫と王子を山羊たちが見送ります。山羊たちは口々にお礼の言葉や旅の無事を願う言葉をかけます。
「がんばってね〜、うっかり食べないように〜」その中にはひとつだけ、別のことを心配している声が混ざっていました。王子にはなんのことだかわかりませんが、姫には伝わりました。
食べはしないけど…心の底に生まれた大きな不安を振り払うように、姫は王子の手を引き、再び森の中へと入っていくのでした。
夕暮れを過ぎたころ、森の切れ間に湖を見つけました。
湖面には赤い夕日が反射し、きらきらと輝いています。見晴らしがよく、安全そうなここで二人は一晩過ごすことに決めました。
夕食後、二人は他愛のない話をして過ごします。「王子はいろんな本を読んでるのね」「そうだね、二人でできる遊びの本とかもあったよ」「えっ二人でできる遊び?どんなもの?」いつもひとりで遊んでいた姫は、二人でできる遊びに興味津々。
王子も姫が興味を持ってくれていることが嬉しかったので、喜んで遊びのルールを説明しました。
「そうすると勝ち負けが決まるのね?わかった!やろう!」勝負事と知った姫はその遊びをすぐにでもやりたくなってうずうず。
「じゃあ、負けた方が勝った方のお願いをひとつ聞くことにしよう」「いいわよ!ぜったい負けないんだから!」勝ち気な姫は、すでに勝ったような気持ちです。
「……負けた」ボロ負けです。姫は歯を食いしばり、目に涙を浮かべるほど悔しがっています。
「王子はわたしが知らない言葉、いっぱい知ってるのね…」「えへへ…たくさん本を読んでいるから…」王子は照れくさそうにはにかむと、姫の方をうかがうように声をかけます。
「じゃあ、勝ったからお願いをしてもいいかな?」「う、うんっ…」勝負に負けたことで頭がいっぱいだった姫ですが、王子の言葉に小さく頷くと背筋を伸ばして彼の言葉を待ちます。
「ひ、姫の歌が聴きたいんだ」王子がすこし照れながら言います
「えっ…歌…?」王子が毎夜聴きにきてくれた歌声は姫の姿と引き換えに魔女に差し出してしまいました。それから姫は王子との旅に夢中で、一度も歌ったことがありません。
自分の歌声が一体どんなものになっているのか想像もつきませんでした。
「僕、姫の歌声が好きだから…」「うっ…」歌わないと怪しまれるかな…?追い込まれた姫は、思い切って歌ってみることにしました。
「ご、ごほん、じゃあ歌うね?」姫は意を決して歌いはじめました。
でもその歌声は、あのよく響く綺麗な歌声と比べると見る影もなくひどい、がらがらとした声でした。王子は変わり果てた姫の歌声にきょとんとしています。
「ごほっごほっ!ごめんね、旅の疲れで喉の調子が悪いみたい… 治ったらまた歌ってあげるから…」姫はひどい歌声をごまかすために嘘をつきました。
「あ、そうなんだ!ごめんね無理やり歌わせちゃって…それなら早く寝て体を休めなくちゃ」王子の優しい気遣いが、嘘つきで後ろめたい姫の心をちくりと刺しました。
夜も更けて…王子は深く眠っていますが、狼は眠れないままでいました。
狼はとぼとぼと湖のほとりを歩いています。いまや狼の胸の中は、不安でいっぱいでした。
化け物と人間が仲良くなれるわけない…山羊に言われた言葉が頭の中を駆け巡ります。姫の姿でないと…嘘をつき続けないと王子と仲良くできない。
王子への想いと嘘を重ねる醜い自分。不安な気持ちをかき消すように、狼は水面をぱしゃりと叩きつけました。
広がり、そしてゆっくりと収まっていく波紋。湖を覗き込み、水面に映る化け物の姿を見て狼は大きなため息をついて湖面をもう一度かき乱すのでした。
王子のために摘んできた花を手にしたまま姫は立ち止まりました。そのまま手渡すはずの花をじっと見つめて何やら考え事をしています。
とうとう姫は決心したように頷き、王子のために摘んできた小さな花をつぶしてしまわないように、慎重に…そっと変身を解きました。
狼は本当の自分の姿で花を渡そうとしています。指先は震え、その大きな指が持つ小さな花も一緒に揺れます。
…結局、王子の目の前まで伸ばされた手は王子へと届くことはありませんでした。
傷つけることしか知らない指先で持つ、王子のように儚く脆い花が、まるで、醜い自分は王子にはふさわしくないと言っているように感じられます。
「…姫?どうかしたの?」王子の声に狼ははっと我に返りました。…そして小さくため息をつき 、姫の姿に変わります。
「ううん、なんでもないわ。 はい、どうぞ」姫は小さく微笑みながら、王子に花を手渡しました。
いつもと変わらず喜んでくれる王子の笑顔が今日は狼を、ちょっぴり切ない気持ちにさせました。
姫は王子の手をひいて洞窟を進みます。いつも王子に危険が少ない道を歩くように注意している姫ですが、この時は運悪く、王子の足元の地面が崩れてしまいました。
「王子!」姫は王子の手を握っていた手に力を込めます。でも、か弱い姫の力では王子を引き上げることはできません。
狼の姿に戻れば簡単に王子を引き上げることができるでしょう。でも、そんなことをしたら…王子の握る姫の手がみるみる狼の手に変わったとしたら、王子に嘘がばれてしまいます。姫は震える手で必死に王子を引き上げようとします。
でも、それも長く続きません。姫は力尽き、王子の手を離してしまいました。
どさっ…
あっ!と姫は慌てて王子が落ちた先を覗きこみます。そこには少しくぼんだ穴の中で倒れる王子の姿。
姫の頭は真っ白、息も止まりそうです。ですが、王子はすぐに体を起こし、大丈夫という風に手を振りました。
幸い崩れた地面は低く、大きな怪我はしてはいないようです。姫はほっと胸をひとなで。
だけど…姫は自分の手を見つめます。そこには王子を引き上げることもできなかった非力で小さな手。姫はこれから先も、ちゃんと王子を守っていけるのか不安を感じはじめるのでした。
暗い洞窟を慎重に、ゆっくり進んでいると穴ぼこだらけの不思議な場所にたどり着きました。穴は岩場のいたるところにあり暗闇の中でぽっかりと口を開けています。
真っ暗で不気味な穴からなにか危険なものが飛び出してくるかもしれない。姫は王子を守るように穴の前に立ち穴の中をじいっと見つめました。
すると…「わっ!!」
穴という穴から黒くて小さな生き物がわらわらとはい出てくるではありませんか。気がつけば姫と王子は無数の黒い生き物にすっかり取り囲まれてしまいました。
ただならぬ姫の様子に王子は姫の手を強く握り、体をこわばらせました。「王子、動かないでね…」姫は王子に声をかけながら、突然現れた黒い生き物たちの動きを警戒します。
でも、彼らは鼻のようなところをぴくぴくと振るわせるだけ。「何もしてこない…害はないのかな…?」姫が警戒を緩めようとしたその一瞬…
王子の傍にいた黒い生き物一匹がぐわっと口を大きく広げます!
「食べちゃダメ!!」すんでのところで気付いた姫は黒い生き物に向かって飛びかかり、その生き物を突き飛ばしました。勢いよく飛んでいった黒い生き物は岩の壁で頭を打ち付けて涙を浮かべます。
頭にたんこぶができてしまった黒い生き物は、ぴすぴすと鼻を鳴らして悲しそうに呟きました。
「ハナ… イイニオイ… オイシソウ…」どうやらこの生き物は王子ではなく王子の持つ花を食べようとしたみたいでした。
王子は声を頼りに黒い生き物の方へ近づこうとします。「あ、王子!危ないからわたしが話を聞くよ」黒い生き物が化け物だと隠したい姫は、黒い生き物の中の一匹と小声で話を始めます。
自分たちは土竜だと主張するこの生き物は、目はあまり見えない代わりに鼻が利き、いい匂いのする花が大好物だといいます。
洞窟に花は咲きませんが、ときどき風に乗って外から花びらが舞い込むようです。
それが土竜たちにとって最高のごちそうなのですが、滅多にないことなので、いつも激しい奪い合いになります。それによって 死ぬ土竜がでることも珍しくないとか…。
姫は彼らの正体が土竜だということは隠して、王子にその話を伝えました。
「そうなんだ…分けてあげたいけどこれは大事な貰い物だから、あげられないんだ…ごめんね」王子の言葉に土竜たちはぴいと鼻を鳴らしました。
その悲しそうな音を聞いた王子は、姫に提案します。「この人たちのためにお花を摘んできてあげられないかな」
姫も王子にあげたプレゼントを土竜たちに食べられたくありません。「うん、わかったわ。花を探しにいきましょう」
二人の言葉に土竜たちは大喜び!風に乗って舞い込む花びらを道しるべに、二人は花畑を探しにでかけます。
ようやく辿り着いた花畑を前に姫は思わず息を呑みました。見たこともないような色鮮やかな花が一面に咲き乱れ夕日に照らされて静かに揺れていました。これまで見た花畑の中でも特別綺麗で、姫はその光景に見とれました。
「いい香りだね、姫」「うん…とっても。こんなに素敵なお花畑、見たことないわ」「ほんとに?僕も見てみたかったなあ」
姫は少しの間、目を閉じ胸いっぱい花の香りを楽しみました。そして、王子にもこの景色を見せてあげたいと思いました。「じゃあ、あの人たちのためにたくさんお花を摘んでいこっか!」
二人は両手いっぱいに花を摘み、土竜たちの巣に戻るのでした。
二人は両手いっぱいに花を抱えて、土竜の巣に戻ってきました。土竜たちはたくさんの花に大喜びです。今か今かと待ちわびた土竜たちは、飛び跳ねたり駆けまわったりして二人を迎えました。
「今順番に配るからね」姫は土竜たち一匹一匹に花を配ります。ですが、あまりのいい匂いに我慢できなくなった一匹の土竜が…
ばくりっ!姫の持っていた花にかぶりつきました。驚く姫をよそに土竜はうっとりしながら美味しそうにもごもごと口を動かします。「オイシイ! ハナ オイシイ!」
花を受け取った土竜たちは香りを楽しんだり、食べたり、大好きな花を思い思いに楽しんでいる様子。嬉しそうなぴすぴすという鼻歌があちこちから聞こえてきます。
王子は土竜の一匹とお話をしている様子。「足りなくなったらがんばって取りに行ってね」と、花畑のある場所を教えているようです。
「アリガト アリガト。 オレイ シタイ。ユックリ シテイッテ」そういって、洞窟で採れる不思議な食べ物を運んできます。姫と王子は喜んで土竜の言葉に甘えることにしました。
その夜…
二人は花畑にもう一度来ていました。はじめに来た時に集めた花は全部土竜にあげてしまったので王子にもとびきりの花をプレゼントするために姫が連れてきたのです。
夜はもう深く、時折雲間から差し込む月明りと王子の持つランタン以外に明かりはありません。その光に照らされ、花畑は静かに、幻想的に輝きます。
姫はこの花畑で一番だと思った一輪の花を王子に手渡します。そしてそのまま、王子の手を握りました。王子も、はにかみながら姫の手を軽く握り返します。
王子の手から伝わる心地よい体温を感じながら、姫は、化け物のこととか、嘘のこととか、不安なことを全て忘れてこのままずっとこうしていたい、と思いました。
そう、姫はこの時、すっかり油断していたのです。
ふいに雲間から月明りが差し込み、二人を照らしました。
月明りが差し込んだのはほんの僅かな時間。王子の手を握る姫の手が、狼の手に戻ってしまったのも、ほんの一瞬…それでも、王子に刻みつけられた恐怖の記憶を呼び起こすには、十分な時間でした。
王子の手を一瞬包んだ、ぞわりとした感触。それは確かに、王子の目を引き裂いた化け物が、王子の腕に残したあのおぞましい感触と同じものでした。王子は恐怖に叫びだしそうになるのをこらえます。
でも、どうして…?どうして姫の手が、あの化け物と同じ手に変わったの…?
王子は信じがたい気持ちでいっぱいですが、確かに自分の手を握る姫の柔らかい手が、化け物の手に変わったのです。
もしかして、姫は化け物なの…?王子は、姫の手を振りほどき姫から距離をとろうとします。
「お、王子、これは…違うの…」姫は懸命に言葉で取り繕おうとします。でも、その言葉は王子には届きません。
「姫…こないで…」王子はなおも後ずさります。目の見えない王子はその背後に崖があることなど知る由もありませんでした。
「王子、あぶない!」崖を踏み外した王子に姫は飛びつき、なんとか王子の腕を掴みます。王子の手からランタンが滑りおち、崖下へ落ちていきます。
「王子、反対の手も伸ばして…落ちちゃうよ…」ですが王子はうつむいたまま、動く様子はありません。
「姫、嘘ついてたの…?」「な、何を言ってるの、王子…? それよりも待ってて、今…引っ張るから…!」でも、か弱い姫の力では王子を引っ張り上げることなどできません。
「姫は、本当は化け物なの…?」
「ち、違うわ、きっと気のせいよ。 お花が触れたのを誤解しちゃったんじゃないかな…?」
狼に戻れば王子を引っ張りあげることは簡単です。そう分かっていても、どうしても王子に本当の姿を知られたくない姫は嘘を重ねることしかできませんでした。
「王子、お願い。手を伸ばして…」姫は必死に王子のもう片方の腕をつかもうとします。王子は何も言わず、うつむいたままです。
…間の悪いことにその時、月を隠していた雲が晴れ上がります。月明かりが崖の上の二人を照らし出します。
全身をたっぷりと月光に包まれた姫の変身はすっかり解けてしまい、言い訳のしようもないほど完全に狼の化け物に戻ってしまいました。
「ああ…これは…ちがう…ちがうの…」二度も自分の手をつかむ姫の手が化け物に変わりました。王子の疑いは確信に変わります。
「なんで…嘘ついてたの…」
「……」もはや狼には言い訳の言葉も嘘も思いつきません。
「……つき」「えっ…」
「嘘つき…!!」
「手を離せ、この化け物!」
それは狼にとって、王子から一番聞きたくなかった言葉です。その言葉は狼の心を強く殴りつけます。息が苦しくなり、視界が涙で歪みます。こんなに心が痛くなったことは、これまでありませんでした。
しっかり王子の腕を握っていたはずの手はゆるみ、化け物の手を振りほどこうと暴れる王子は狼の手から離れてしまいます。
そして崖下へ落ちてゆく王子を、狼はただ見つめることしかできませんでした。
狼は王子が消えていった真っ暗な森を見下ろし立ち尽くします。何も考えることができず、ただ呆然としていました。
どれくらいの時間が経ったでしょうか。やがて真っ暗な森の一部にぱちぱちと赤い光が灯りました。
それはみるみる広がり、森は赤く染まっていきます。崖から落ちていったランタンの火が森に燃え移ってしまったのです。
木々が焼ける音で狼ははっと我に返りました。「王子が危ない…助けにいかないと…!」
炎は次々と周囲の木々を巻き込み勢いを増します。狼はジリジリと体を焼く熱を前に、炎を怖がる本能で足がすくみました。
こわい…こわい…!体は震え、涙が溢れました。それでも…王子がいなくなってしまうほうがもっともっとこわい…!
「王子ーーーーっ!!」狼は炎の恐怖と戦いながら、燃え盛る森へと飛び込んでいきました。
燃え盛る森の中を必死に駆け回り、狼はやっと王子を見つけだします。
王子は燃える木々に囲まれ今にも炎に飲み込まれそうになっていました。あついあついと、必死に助けを求めています。
狼は王子を助けるため、ぼうぼうと燃え盛る炎に近付いていきます…
「お、王子…助けにきたよ…」恐る恐る、狼は王子に声をかけます。
「姫…」王子は狼へどんな言葉を返したらよいかわかりませんでした。あんなに火が苦手だったのに、いま命がけで王子を助けてくれました。だけど、この目を潰し、姿を偽った憎く怖い化け物でもあります。
狼も王子へかける言葉がみつからず、真っ赤に燃える森の中、二人は黙って向かい合うことしかできませんでした。
その時です。ばきばきと木々が倒れる轟音が聞こえ、森全体が大きく揺れました。
轟音のした方向に目を向けると、遠くの方で、森の木々の高さを超えるほど大きな怪物が怒りに満ちた猛々しい咆哮を上げながら、今まさに立ち上がろうとしているのが見えました。
こんな恐ろしい怪物は見たことがありません。森に住む生き物や化け物たちは皆パニックになり、怪物の居ない方向へ一斉に逃げだしました。
逃げ出す生き物たちの中には魔女の使い魔たちの姿も見えます。魔女の使い魔たちは何かを叫びながら逃げていました。
「モリのマジョがオイカリだ!!! アイするコレクションをモヤサレテ ムカシのようにオオアバレ!! もうこのモリはオシマイだ!!」
それを聞いた狼と王子は顔を見合わせます。「あれは…森の魔女なの…?」「コレクションが燃やされて怒ってるって…これ、僕達のせいだ…」
「う、うん…でもあんな怪物どうやってやっつければ…」狼は怪物になった魔女を倒す方法を考えます。だけどどう考えてもあんなに大きな怪物には勝てそうにありません。
王子を連れてここから逃げないと…などと狼が考えていると…
「姫、魔女に謝りにいこう」思いがけない王子の言葉に狼は耳を疑います。
「謝りに…?」「そう、悪いことをしたら、謝らないと」
「悪いことをしたら、謝る…」狼は王子の言葉を繰り返します。「はやく行こう、…姫?」
狼は少し考えこんでいましたが…やがて強く頷きます。「わかった、わかったよ、王子!行こう!」
ついに二人は魔女の館…が、あった場所にたどり着きました。怪物になった魔女が押しつぶしたのでしょうか…かつての魔女の館は、今は見る影もない瓦礫の山になっています。
その破壊の後を目で追うと、少し先に魔女の姿が見えました。怒りに我を忘れ、館の周りの森をところかまわずその巨体で押しつぶしています。
「王子、どうしよう、話を聞いてくれそうな感じじゃないよ…」姫は困った様子で王子に問いかけます。
「そうなんだ、でも大丈夫だよ」「大丈夫…?」一体なにが大丈夫なのか、姫は訝しげに王子を見つめます。
「姫はとっても強いからね」「え…王子…」王子はこんな状況で冗談を言っているのか、それとも本気で言っているのか…姫には理解できず、ただうろたえるのみです。
魔女の唸り声と地響きが、二人のやりとりに割り込みます。魔女は姫と王子に気付いた様子で、明らかな敵意を二人に向けて近づいてきます。二人が森や魔女の大切なコレクションを燃やした犯人だと知っているようでした。
「王子、魔女が近づいてくるよ…!」姫は慌てて王子を連れて逃げようとします。ですが、王子は動く様子がありません。
「姫。今の魔女は怒ってて話を聞いてくれないけど、 なんとかして落ち着いたら話を聞いてくれると思う」
「落ち着くってどうやって…」「ちょっとやっつける…とか」「え、えぇ?!」それができれば苦労はしないのですが…しかし王子は強気で続けます。
「だから”お願い”、姫。魔女をちょっとやっつけて!」「ええええええ!で、できるかなぁあ…!」そう言いながらも姫は狼に変わり、巨大な怪物に向かって地を蹴り、駆け出しました。
王子と姫は、怒り狂う魔女をなんとか鎮めることができました。魔女との戦いでもうもうと立ち込めた煙がだんだんと晴れ上がります。
怪物から元の姿に戻った魔女はしばらく気を失っているようでしたが、やがて目を覚まし、よろよろと立ち上がります。
「ちくしょう…大切なモノを踏みにじっておいて…許せない…」「アイツらめ…なんで…わかってくれないんだ…」魔女は朦朧としていて少し変なことをつぶやいていますが、その怒りはまだ衰えていないようでした。
魔女はボロボロになった魔法の杖を二人に差し向けました。魔法の力が光となって杖の先端に集まり鋭く輝きます。その破壊的な力が今まさに二人に向かって放たれようとした時…
「「ごめんなさい!!!」」
……魔女はぴくりと動きを止めました。
「……ふん!ちょっと見ない間に 素直な心を少しは身に着けてきたのかい?」「…そんなことでお前達のしたことを許してやるとでも思うのか」
言葉とは裏腹に…魔女からはさっきまでの怒気がなぜか感じられなくなっています。
「そういやお前は私に何か用があったんだったね」魔女の言葉に姫は、王子を連れて魔女に会いに来た理由を思い出します。
「そうだった… 魔女、お願い!王子の目を治してあげて! わたし達、その為にここまで来たの!」
姫のなりふり構わぬ懸命な態度に、魔女は顔を歪めます。その表情は怒りのようにも、愉悦のようにも見えました。
「へえ、私のコレクションと庭を焼いておいて、 よくもそう図々しくお願いができるものだ」「しかしまあ…私は寛大な魔女だ。 お前がそれ相応の代償を支払うというのなら、 その願い、聞いてやらんこともないよ」ねぶるような口調で魔女は言います。
「どうすればいいの…?」「お前がここに来た理由の全て…それを貰おうかね」「それって…」姫は嫌な予感に背筋が冷たくなるのを感じました。
「王子さ」
「そんな…!」
「といっても王子の命を貰うわけじゃないよ、 私は魔法の代償に命は取らない主義だからね」姫は少し安心しますが、魔女は代償の話を続けます。
「お前の王子に関する記憶を全部奪わせてもらおう。 それに、姫に変身する魔法も返してもらうよ。 あぁ、もちろん歌声は返さないよ、当たり前だね」
「本来なら目を治すのにこんなに代償は取らないんだけどね、 余った魔力はお前たちに焼かれた森を 治すのにでも使わせてもらうさ」
狼の全てを捧げろと言わんばかりの、魔女の要求。「どうだい?これだけの代償、お前に払えるのかい。 自分勝手で、嘘をついて生きてきたお前が、 ただのちっぽけな人間一人のために」
「…………」姫…狼は考えます。これまでの出来事、王子との旅、自分がしたこと。今まで生きてきた中で一番、深く、深く考え…
「わかったわ」「その代償を払うから…王子の目を治して!」狼は王子のために代償を払う決断をしました。
「だめだよ!僕のために…そんなことさせられないよ!」王子はとんでもない条件を受け入れようとする姫を止めようとします。
姫は王子の手をにぎり、王子に語りかけます。「いいの、王子。私は王子の目を傷付けてしまった。 だけどそれをごまかして、王子の目を治せばそれだけで 王子と仲良くしていいって思ってた」
「でもそれじゃダメだってわかったんだ。だから…」
「王子、傷付けたり、嘘ついたりして、ごめんね」そして王子が何かを言い返そうとした、次の瞬間…
「取引成立だね!!」姫と王子に割り込み、魔女は魔法の儀式を始めます。
魔法の力の波によって、姫は捕らわれ、王子は弾き飛ばされます。
「まずはその姫の姿から返してもらうよ」魔女が指をくいと動かすと、あっけなく姫の姿は狼へと戻ってしまいました。もうどれだけ念じても姫の姿には戻れません。
「さて、次は代償の取り立てだね」魔女が杖を振るうと、狼を覆う魔法の波が力強くうねります。狼の精神はぞわぞわと魔女の魔法の力に掌握されてゆき、意識がどんどん遠のいていきます。
「姫!!」音を頼りに、王子は狼の方へ駆け寄ります。
王子の力では、魔女の魔法の力から狼を引き剥がすことはできません。王子は狼の顔に触れ、語りかけます。
「姫…僕も謝らなきゃ…あの時、化け物なんて言って… 嘘つきなんてひどいこと言ってごめんね…」
「姫の気持ちに嘘なんかなかったよ。 姫は嘘つきなんかじゃなかった…だから…」
「姫…姫が記憶をなくして、今の気持ちを忘れても、 僕が覚えてるから…!!だから、また………」
そこで狼の意識はほとんどなくなり、王子の言葉を最後まで聞くことはできませんでした。
消え行く意識の中、狼は思います。
最後に…素直な気持ちで謝れてよかった…王子は許してくれたかな…仲直りできたなら、改めて友達になってもらって、それからもっと仲良くなりたかったなあ………
そして狼の意識は、真っ白になりました。
テキストなし
あるところに…小さな王国を取り囲む 闇深い森がありました。
そんな恐ろしい森ですが、月夜の晩には誰かの歌声が聞こえてきます。
…いいえ。それは歌とは言えない程に、ずいぶんとへたくそなものでした。声の主は、狼を思わせる姿の化け物。彼女は毎夜、この小高い岩の上で寂しそうな声で月に向かって歌うのでした。
「…なんでわたしは歌ってるんだろう…」「あんまり歌、うまくないのに…」狼は時々、とても寂しい気持ちになるときがあり、そんな時はなぜかここで歌を歌いたくなるのでした。
どうしてだろう…と考えようとしても記憶に白いもやがかかり、何も思い出すことはできませんでした。
「なんか心にぽっかり穴が空いたような感じ…」狼の寂しげな歌は夜の闇の中に吸い込まれるように消えていきました。歌い終わると、辺りに静寂が訪れます。
何をするわけでもなく、狼が空を見つめてぼんやりとしていると不意に近くから物音が聞こえました。
「よい…しょ…」狼はびっくりしました。見知らぬ人間が、突然岩を登って目の前までやって来たのです。
ですが、狼にとっては人間など敵ではありません。しかも目の前に現れたのは肉の柔らかそうな人間の子供でした。
最近はあんまり人間を食べる気が起きませんでしたが、久しぶりのご馳走が向こうからやってきたのです。小腹も空いているし引き裂いて食べてやろうと大きな爪を振り上げました。
その爪を振り下ろそうと力を込めたその時、不意にその人間が何かを差し出しました。
視界いっぱいに広がる色とりどりのそれに狼は目を奪われ振り下ろそうとした手を思わず止めてしまいます。なぜか懐かしさを感じる、優しい香りが狼を包み込みました。
「……花…?」それは、いくつもの花が束ねられた小さな花束でした。
「そうだよ、今までのお返し」そういって、その人間は柔らかく微笑みました。狼にはなんのことだかわかりません。
「また会いに来たよ、姫」
その言葉を聞いた瞬間、狼の目からぽろりと涙がこぼれました。涙はあとからあとから溢れだし、言い表せない感情と共に止まらなくなりました。
狼には目の前の人間が何を言っているのか全くわかりません。だけど、正体不明の大切な何かが心の穴を満たしていきます。
狼は振り上げた爪をゆっくり下ろし、差し出された花束に手を伸ばしました。やさしく、やさしく握られた大きな手の中で、小さな花は静かに揺れました。狼はその場に座り込みます。
花束を手渡した人間は嬉しそうに微笑み、狼の隣に座ります。狼のぼやける視界の向こうで人間の笑顔が揺れました。
狼と人間は寄り添い、狼は歌を歌い始めました。それはお世辞にも上手いとはいえない、どうしようもなくへたくそな歌でしたが人間は嬉しそうにそれに耳を傾けます。
これまで月に向かって歌われていたその歌は、今は隣に居る人の為に歌われます。
それは不器用だけど、素直な気持ちがこもったとても温かな歌声となり、夜の森にいつまでも、いつまでも響き渡りました。
めでたし、めでたし。
嘘つき姫と盲目王子
全てのトロフィーを獲得した!
スタート地点
ゲームをクリアする。
キミに花束を
すべての『花』を集める。
狩りの達人
敵を100体倒す。
愛の使徒
泪花の星空で敵を倒さずクリア。
光を追う者
鳴き花の叫びを3分30秒以内にクリア。
言の刃
王子に嘘つきと呼ばれる。
蒐集家
すべての『花びら』を集める。
狩りのベテラン
敵を50体倒す。
ピースメーカー
綿積りの白道で敵を倒さずクリア。
音を追う者
蒼海があった場所を3分00秒以内にクリア。
5分咲き
『花』を5つ集める。
ほんとにごめんね
王子を30回死亡させた。
たくさん食べてね
土竜に花をあげる。
重ねて、重ねて
100回王子と手をつなぐ。
キミと満月を
王子と月を見る。
駆け出し狩人
敵を10体倒す。
平和主義者
木漏れ日小道で敵を倒さずクリア。
風を追う者
垂れ苔のカーテンを2分30秒以内にクリア。
いっぱい食べてね
山羊に肉をあげる。
ごめんね
王子を初めて死亡させた。
その手をとって
初めて王子と手をつなぐ。
これが…私…?
初めて変身する。
初陣
初めて敵を倒す。