議論:CHiBi-CHiLOの機能拡張に関する懸念点について

[yabuki]

はじめに

CHiBi-CHiLOも、使われる組織(大学)が徐々に増え、機能拡張の必要性がでてきた。仕様を固めると、実装してしまう必要があり、仕様を定めるために事前の検討が必要であり、この議論は、その事前の検討にあたる。

要求をそのまま実装してしまうと、技術的や運用がとても大変な道に入ってしまうことがあり、事前にどのあたりが、CHiBi-CHiLOに対して急所になるのかについて、考えを深める必要があり、全部をやると大変過ぎるが、このぐらいならできそう。この仕様を入れると一気に大変さが増すなどの知見を集めて、仕様作成の参考としたい。

2023-04-19 13:00からのミーティングにおいて助言を頂いて、この文書をまとめることにした。

本文

権限管理

• CHiBi-CHiLOに、各組織(各大学)で、コンテンツ共有を進めると、どんな粒度で、権限管理をするか。
  • コンテンツを統一して扱うには、中央集権的なDBで、権限管理やコンテンツのトレースをやるのが、楽ではある。が、現在、オンプレミスなサーバーとクラウドでバラバラになっているDBをどのように連携していくか。について検討が必要だ。
  • 権限管理については、誰が?(コンテンツ作成者?および管理者)が、個々のコンテンツに、CHiBi-CHiLOがやっている、「参照(検索に出てくるかどうかも含む)」、公開範囲の指定、forkなどの派生の可否および範囲の指定や、また権限の可否について組織を越えてコラボレーションするが、他者は入れたくないなどの要求を満たすモデルを作る必要があるかなど。---ここは、別のユーザー管理についてかかってくる。
• データベース上に権限管理のモデルを作り、ユーザーが何かをするたびに、権限を持っているかについて確認をして表示や動作の可否を行う必要がある。権限管理のモデルを柔軟にすると、システム作成と運用コストがあがり、ユーザがCHiBi-CHiLOの動作が遅くなるなどで、不満を持つことが考えられる。そして、CHiBi-CHiLOができることを増やすと、この権限管理のモデルも複雑になるので開発のスピードも遅くなる。
  • 実装前には、テスト用や、ユーザへの周知のために権限マトリクスを作る必要がある。
  • OAuthのように、他者に一時的に権限を貸し出すような仕組みがいるのかどうか。

ユーザ管理

自前でユーザー管理をすると、手間の割に得るものがすくないので、可能な限り外部に委ねたい。が下記のような理由で、ユーザー管理っぽい何かを作らないといけない気がしている。気の迷いならいいのだが。

• 組織を越えた、統一した権限管理を実装するのに、ユーザー管理っぽい何かがいるのではないか
• 組織内の異動だけでなく、別組織への異動があるなら、権限管理をどうすればいいのか。---大学間で教員の異動があったら、そのコンテンツは誰の所有物で、それは常に適用可能なのか?
• 複数のidentity(mail addressやOAuthか?)を統合して、ユーザー管理をしないと何が起きるのか。
• 研究者ならもっているであろう、一意な識別子などがあるとしても、それはCHiBi-CHiLOの教材作成者は常に持っているとは限らないのではないか? ボスからいわれて手伝ったTAがもっているとは思えない。

データベースなど

• 分散データベースや分散システムは、可能な限り避けたい。集中システムより難易度が高いし、コストもかかる。作ってしまったら、ずっとサポートが必要になるから。

コンテンツの再利用性

• 堀さん現状分析によると、
  • 利用者によって使い方が異なり、コース、ブック、トピックの使い方にいくつかのパターンがある。
  • どの利用者も、自分が作成したトピックについては再利用が進んでいる。
  • 他人のコンテンツを利用するときには、ブック単位で利用している。
• コンテンツの再利用性を高めるためには、どうやって教材作成者に情報を提示するかについて機能拡張が必要そうだということがわかった。

[yabuki]

活発な議論が交わされた。以下、重要そうな論点を上げておく。

• ID管理よりは、グループ管理(組織内・組織外を含む)が必要そう
• 権限管理の設計と実装は、重たい作業。
• 権限管理も重要だが、他人になりかわって作業できる機能(Unix系のsudoみたいなもの)が、使いやすいのではないか。という仮説がある。
• 外部とのサービス連携、たとえばスライド管理などをMSのshare pointや、クラウドサービスと連携して保存できると便利そうではある。
• 個人が作ったデータを他に持っていくために、Export/Importの機能が必要そう
  • 作った動画は公開されているか、持っていける前提?
  • Export/Import機能は、リリース機能と連携するのが筋が良い。
• マストドンのActivity PubやBlueSkyのAT protocol などをつかった、分散システムを将来を見据えつつ、短期的には集中管理システムを指向する。