中国では、以下の活動が「テロ活動」とされています:
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人員の死傷、重大な財産損害、公共施設の損壊、社会秩序の混乱などの重大な社会危害を引き起こす、またはその意図を持つ活動の組織、画策、準備、実施。
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テロリズムを宣揚し、テロ活動の実施を煽動する行為、またはテロリズムを宣揚する物品を不法に保有し、公共の場で他人にテロリズムを宣揚する服飾や標識を強制する行為。
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テロ活動組織の組織、指導、参加。
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テロ活動組織やテロ活動人員に対し、情報、資金、物資、労務、技術、場所などの支援や協助、便宜を提供する行為。
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その他のテロ活動。
- 1997年の刑法改正により、テロ活動やテロ組織に関する処罰規定が設けられました。
- 2015年には、「中華人民共和国反テロリズム法」が制定され、テロ組織の設置や治安機関の権限などのテロ対策が包括的に規定されました。
- 中国政府によると、1990年から2016年末までに数千件のテロ事案が発生しました。
- 2019年3月に発表された白書では、具体的なテロ事案の例が示されています。
- 2023年1月時点で、中国では6年連続でテロ事案の発生がゼロとされています。
- 米国は、中国政府がテロリズムの脅威を口実に新疆ウイグル自治区の少数民族住民に対する抑圧と人権侵害を正当化していると指摘しています。
- 国連人権高等弁務官事務所は、新疆ウイグル自治区での深刻な人権侵害が行われていると報告しています。
朝鮮戦争後も、北朝鮮は朝鮮半島の「赤化統一」を目指し、以下のような活動を行っています:
- 韓国要人の暗殺企て
- 韓国の国際的な立場を損なう活動
- 日本人の拉致事件
米国は、北朝鮮がテロ活動に関与し、支援しているとして、以下の時期にテロ支援国家に指定しました:
- 1988年1月:大韓航空機爆破事件を受けての初指定
- 2008年:北朝鮮の核問題協議の進展を受けての指定解除
- 2017年11月:外国での暗殺を含む国際テロ行為の繰り返し支援を理由に再指定
- 金正男暗殺事件(マレーシアの国際空港での神経剤VX使用)
- 米国人学生オットー・ワームビアの死亡事件が判断材料となった
米国国務省は「テロリズム国別報告書」で、以下の事項に言及しています:
- 「よど号」ハイジャック事件の実行犯を北朝鮮が保護
- 2003年以降、2018年版を除き、毎年北朝鮮による日本人拉致問題について言及
韓国は、かねて「テロ資金供与防止条約」等複数の条約に加入し、国連制裁等テロ組織に対する国際協力の枠組みに協力し、ソマリア等への多国籍軍派遣に参加していることや、国内に米軍基地を抱えること等により、イスラム過激組織から攻撃対象として名指しされています。
2018年6月、廃車解体業者で働きながら周囲に「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)の広報映像を見せるなどの宣伝活動を行っていたシリア人の男が、「国民保護と公共安全のためのテロ防止法」(2016年)違反容疑で初めて逮捕され、2018年12月に実刑判決を受けました。2019年7月には、ISIL関連の資料等を収集、宣伝し、陸軍工兵学校で軍用爆発物点火装置を盗んだとして、韓国人が同法違反容疑で逮捕及び起訴されました。
また、2019年10月、韓国に不法滞在しながら海外のテロ関連団体に送金していたカザフスタン人の男が「公衆等脅迫目的のための資金調達行為の禁止に関する法律」(2008年)違反容疑で逮捕され、懲役2年の実刑判決を受けました。2019年12月には、ロシア政府が国際指名手配していたシリアの「タハリール・アル・シャーム機構」(HTS)(元「ヌスラ戦線」)所属のウズベキスタン系ロシア人が「出入国管理法」違反容疑で拘束され、ロシアに国外追放されました。
このほか、2021年9月には、韓国に不法滞在していたロシア人の男(キルギス出身)が、HTSに送金していたとして、「国民保護と公共安全のためのテロ防止法」等の違反容疑で逮捕され、同年12月に懲役1年6月の実刑判決を受けました。また、ウズベキスタン人の男が、同じくHTSに送金していたとして、「国民保護と公共安全のためのテロ防止法」違反容疑で逮捕され、2022年3月に懲役10月の実刑判決を受けました。
なお、2007年7月には、アフガニスタン南東部・ガズニ州で、韓国人ボランティア23人が「タリバン」に連れ去られ、リーダーの牧師ら2人が殺害されました。
- 1968年に「フィリピン共産党」(CPP)の軍事部門として設立
- 農民や労働組合員、カトリック教会関係者、反体制派活動家を取り込み勢力拡大
- 1986年時点で2万5,000人のメンバーを有していたが、1990年代には6,000人程度に減少
- 2000年頃には1万人以上に回復するも、国軍の掃討作戦で再び弱体化
- 近年では3,500人から4,000人まで勢力が減少
- 治安部隊等に対する襲撃等を継続
- 1968年頃に設立
- 1972年以降、フィリピン南部における独立国家の建設を標ぼうし、国軍に対する武力攻撃を繰り返す
- 1996年に政府と最終和平協定に調印
- 1977年にMNLFから分派
- フィリピン南部におけるイスラム国家の樹立を掲げる
- 2014年に政府と「バンサモロ包括和平合意」に調印
- 1991年にMNLFから分派
- フィリピン南部からイスラム国家を拡大させることを掲げる
- 2017年6月、ISILの機関誌で存在が明らかに
- マラウィ占拠事件(2017年5月~10月)を引き起こす
- 2018年5月、二代目最高指導者にハティブ・ハジャン・サワジャアンが就任(その後死亡と指摘)
- 2018年7月:バシラン州ラミタンでモロッコ系ドイツ人による同国初の自爆テロ
- 2019年1月:スールー州ホロ島のカトリック教会でインドネシア人夫婦による自爆テロ
- 2020年8月:スールー州ホロ島市街地でASGメンバーの未亡人の女2人による連続自爆テロ
- 2020年7月:「2020年反テロリズム法」成立、テロ対策強化
- 2021年以降:ミンダナオ島でISEA構成組織及び派閥による国軍や民間人を標的としたテロが発生
- マニラ首都圏等でも、ISIL、ISEA等に関連した摘発事案が散見
ISEA構成組織及び同派閥については、治安当局による掃討作戦で相当程度の打撃を受けて弱体化しているものの、依然としてリクルート、訓練、資金調達等の活動を秘密裏に行うなど、今後の情勢次第では再び活動を活発化させる可能性がある旨の指摘がなされています。
-
ダルル・イスラム(DI)
- 1949年8月:「インドネシア・イスラム国家」(NII)の樹立を宣言
- 1962年:指導者カルトスウィルヨの逮捕・死刑執行により終息
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ジェマー・イスラミア(JI)
- 1993年:マレーシアで設立
- 1999年:インドネシアに帰国し活動を活発化
- 2002年10月:バリ島で連続爆弾テロ(第1次バリ事件)を実行
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インド共産党毛沢東主義派(CPI-M)
- 2004年9月:「人民戦争グループ」(PWG)と「毛沢東主義・共産主義センター」(MCC)が統合して設立
- 東部及び中部を拠点に活動
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イスラミック・ジハード・ユニオン(IJU)
- 2007年9月:ドイツ国内の米軍基地等を標的とした爆弾テロ計画が摘発
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ジャマー・アンシャルット・ダウラ(JAD)
- 2014年8月:アマン・アブドゥルラフマンが獄中で設立
- ISILへの参加や国内でのジハード実行を奨励
- 2002年10月:バリ島での連続爆弾テロ(第1次バリ事件)
- 2016年1月:ジャカルタ中心部でのショッピングモール付近での自爆テロ及び銃撃事件
- 2018年5月:東ジャワ州スラバヤのキリスト教会を標的とした家族テロ
- 2021年3月:南スラウェシ州マカッサルのカトリック教会正門付近での自爆テロ
- 2022年12月:西ジャワ州バンドンの警察署内での自爆テロ
- 2018年:改正反テロ法成立
- ISIL関連組織の摘発が続く
- MITの勢力壊滅が宣言(2022年12月)
- ISIL支持者らがSNS上でメディアグループを形成し、ISILに関連する独自の宣伝活動を行う
- イスラム過激主義に関する宣伝活動が継続
- 今後20年以上はテロの脅威に対処し続ける必要性が指摘されている
- 1990年代半ばから2000年代初頭:ジェマー・イスラミア(JI)の小集団が米国関連施設等を標的としたテロを計画
- 2014年頃:ISILに参加するためシリアに渡航する者が出現
- 2017年5月:シリアで活動するISILのシンガポール人メンバーが動画で「東アジアのムジャヒディンへの合流」を呼びかけ
- バンサモロ・イスラム自由戦士(BIFF)のアブ・トゥライフィー派に合流するなどして活動しているシンガポール人も散見
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2020年12月:極右過激主義に傾倒した16歳のシンガポール人男性(キリスト教徒)がモスクの襲撃を計画したとして逮捕
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2021年3月:ユダヤ教礼拝堂を訪れるユダヤ教徒の襲撃を計画したシンガポール人男性(イスラム教徒、20歳)が逮捕
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2022年4月:タリバンに参加するためアフガニスタンへの渡航を計画したシンガポール人男性(イスラム教徒、29歳)が逮捕
- 2016年4月:バングラデシュ人就労者8人がISILへの渡航を計画し、バングラデシュ政府の転覆を企図したとして逮捕
- 2019年9月:インドネシア人家政婦3人が海外のISIL関係者に資金を提供したとして逮捕
- 2020年:外国人20人以上が過激化の傾向があり暴力行為の実行を示唆したなどとして逮捕。うちバングラデシュ人建設作業員1人がISILへの参加、母国におけるテロ等を計画
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ジェマー・イスラミア(JI)
- 1993年:アブ・バカル・バシールらがマレーシアで設立
- 1990年代半ばまで:志願者をアフガニスタンやパキスタンの訓練キャンプに派遣
-
クンプラン・ムジャヒディン・マレーシア(KMM)
- 1995年:設立
- マレー半島部・クランタン州のイスラム学校を拠点に活動
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イラク・レバントのイスラム国(ISIL)関連
- 2014年以降:ISIL等の過激組織に関与した容疑のある者の摘発が続く
- 2016年6月:マレー半島部・セランゴール州プチョンの飲食店手りゅう弾投てき事件(初のISIL関連テロ)
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アブ・サヤフ・グループ(ASG)
- サバ州沖での船員誘拐や船舶襲撃事件に関与
- 2016年6月:セランゴール州プチョンの飲食店手りゅう弾投てき事件
- 2019年12月および2020年1月:「マレーシアのISILからのメッセージ」と題する動画がSNS上に投稿
- 2021年5月:サバ州沖での船員誘拐に関与したASGスールー幹部らを含む8人が逮捕
- 各種テロ対策関連法を適用して積極的に摘発を推進
- アラカン・ロヒンギャ救世軍(ARSA)への資金援助事案の発生
- タミル・イーラム解放の虎(LTTE)の復活支援活動の摘発
- パッタニ統一解放機構(PULO)
- パッタニ・マレー民族革命戦線(BRN)
- 深南部(ナラティワート県、ヤラ県、パッタニ県の全部およびソンクラー県の一部)で活発に活動
- 治安当局、公立学校、教師を主な攻撃対象とする
- 中部や北部では空港、ホテル、複合商業施設等の商業・観光施設も標的に
- 2019年11月:ヤラ県の検問所襲撃(15人死亡)
- 2021年2月:ナラティワート県の国軍キャンプ襲撃(2人死亡、1人負傷)
- 2022年8月:深南部のコンビニエンスストア等17か所以上での同時多発的爆発・放火事件
- 2022年11月:APEC首脳会議前後の深南部での爆発事件
- ISILとの関連がうかがわれるグループによる動画発出(2022年1月)
- 深南部における国軍兵士に対する襲撃を報じる
- プラユット首相の殺害を予告
- 2015年4月:南部・スラターニー県サムイ島のショッピングセンター自動車爆弾事件
- 2016年8月:中部および南部各地における爆発および放火事件
- 2019年8月:バンコクでの小型爆弾連続爆発事件
- 2015年8月:バンコク中心部のエラワン廟付近の交差点爆弾事件(20人死亡、120人以上負傷)
- 中国・新疆ウイグル自治区出身者2人が逮捕・起訴
- 人身取引犯罪の摘発に対する報復か、ウイグル族の中国送還への報復か、見方が分かれる
- 2002年頃まで:アルカイダ、ジェマー・イスラミア(JI)等が国内での拠点設置に関心
- 2005年:アルジェリア生まれの移民ら12人が原子力関連施設やハワード首相等を標的としたテロを計画
- 2009年8月:レバノン系やソマリア系のオーストラリア人5人がシドニーの陸軍基地を狙ったテロを計画
- 2014年頃以降:多数の者がISILに参加
- ISILの機関誌でオーストラリアでのテロが呼びかけられる
- 小規模なグループや個人によるテロの実行やテロ計画の摘発事案が複数回発生
- ISILやアルカイダによる脅威は「永続的」
- 「一匹狼」型テロが今後も継続する可能性
- ASIOが扱う案件の半数が「民族主義及び人種差別主義に基づく暴力的過激主義者」によるもの
- 2021年8月:「ゾンネンクリーク・ディビジョン」(SKD)
- 2021年12月:「ザ・ベース」
- 2022年2月:「国家社会主義同盟」(NSO)
- 2022年11月:「起こりそうである」から「可能性がある」に引き下げ
- ISILへの支援計画や参加企図に関する逮捕事案が複数発生
- 極右過激思想に傾倒した者の逮捕事案も発生
- 1978年:共産党政権成立、反政府勢力の勃興
- 1979年12月:ソ連のアフガニスタン侵攻
- 1989年2月:ソ連軍撤退
- 1998年:タリバンがアフガニスタンの大部分を支配
- 2001年:米国等の軍事作戦によりタリバン政権崩壊
- 2021年8月15日:タリバンがカブールを制圧し、実権を掌握
- アルカイダはタリバンの制圧を「歴史的偉業」と主張
-
アルカイダ
- 2022年8月1日:最高指導者アイマン・アル・ザワヒリがカブールで米国の空爆により殺害
-
ISIL関連組織「ホラサン州」
- 2017年以降:アフガニスタンおよびパキスタンでテロを実行
- 2021年8月以降:タリバンへの攻撃やシーア派住民等へのテロを増加
- 2022年:カブールで外国権益へのテロを実行(ロシア大使館付近での自爆テロ、パキスタン大使館への銃撃、中国人利用ホテルへの襲撃)
- タリバンは「他の組織が他国を攻撃するためにアフガニスタンの領土を使用することを許さない」と主張
- 多数のテロ組織がアフガニスタン国内で活動していると指摘
- タリバン内の「ハッカーニ・ネットワーク」(HQN)はアルカイダとの関係を維持している可能性
- アルカイダは「長期的」な脅威
- 「ホラサン州」は「短中期的」な脅威
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パキスタン・タリバン運動(TTP)
- 2007年12月:設立
- 2018年6月:ヌール・ワリ・メスードが最高指導者に就任
- 2020年7月以降:10以上の過激組織がヌール・ワリ・メスードに忠誠を誓う
-
ISIL関連組織
- 「パキスタン州」:2019年5月に初めて犯行声明を発出
- 「ホラサン州」:パキスタン北西部でも活動
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バルーチ系過激組織
- バルチスタン解放軍(BLA):治安当局、州政府、インフラ等を標的としたテロを実行
- バルーチ・ラージ・アージョイ・サンガル(BRAS):BLA等の連合体
- 2021年1月:「パキスタン州」がバルチスタン州でシーア派のハザラ人炭鉱労働者11人を殺害
- 2022年3月:「ホラサン州」がKP州のシーア派モスクで自爆テロを実行
- 2022年4月:BLAがシンド州都カラチの「孔子学院」付近で自爆テロを実行
- 2022年のテロ発生件数:262件(前年比約27%増)
- 2年連続で増加傾向
- TTPはパキスタン治安当局、政府機関等に対してテロを継続する旨主張
- バルーチ系過激組織はパキスタン治安当局に加え外国権益を標的とする旨主張
- テロの増加傾向は今後も続くとの指摘あり
- インド側カシミール
- 中部・チャッティスガル州
- 中部・ジャールカンド州
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極左過激組織
- インド共産党毛沢東主義派(CPI-M):最大のテロ実行主体
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イスラム過激組織
- ラシュカレ・タイバ(LeT)
- ムハンマド軍(JiM)
- ヒズブル・ムジャヒディン(HM)
- 1967年:ナクサルバリでの武装蜂起を機に活動拡大
- 2004年9月:CPI-M設立
- 東部および中部を中心に活動、治安当局への襲撃や警察協力者の殺害などを実行
- 近年:指導部幹部を含むメンバーの拘束により勢力減退傾向
- 1989年以降:カシミール地方での活動活発化
- 2001年12月:LeTとJiMによる国会議事堂襲撃事件
- 2008年11月:ムンバイ同時多発テロ事件
- 近年:アンサール・ガズワトゥル・ヒンドゥ(AGH)やISIL関連組織「ヒンド州」の設立
- ジャマートゥル・ムジャヒディン・バングラデシュ(JMB):西ベンガル州等での活動
- アンサール・アル・イスラム(AAI):アッサム州での活動、若者への過激思想扶植
- ISIL関連組織「ヒンド州」による襲撃事件
- AGHメンバーによるテロ計画の摘発
- AAIメンバーの逮捕事案
インドでは、極左過激組織やイスラム過激組織による多様なテロ活動が継続しており、国内の治安に大きな影響を与えています。
- 2015年10月:邦人1人が射殺される事件(ISILが犯行声明)
- 2016年7月:ダッカのレストラン襲撃事件(邦人7人を含む20人以上が死亡)
-
ジャマートゥル・ムジャヒディン・バングラデシュ(JMB)
- 政府はダッカ襲撃事件をJMBの分派組織「ネオJMB」の犯行と断定
-
アンサールッラー・バングラ・チーム(ABT)
-
アンサール・アル・イスラム(AAI)
- ABTの後継団体とされる
- ソーシャルメディアを通じて活発に活動
- 2015年3月以降:ISILによる犯行声明が複数発出
- 2017年3月:ダッカでの自爆テロ等でISILと関連を有する「アーマク通信」が犯行を主張
- 2019年4月:約2年ぶりにISIL名の犯行声明が発出
- 2020年2月および7月:ダッカでの爆弾テロについてISIL名の犯行声明が発出
- 2021年以降:ISILによる犯行声明は確認されていない
- 2013年以降:ABTやAAIが「世俗的な言論活動を展開する者」や「異教徒」を標的とした殺害事件の犯行を主張
- 2018年7月:AAIがロヒンギャのキャンプで勧誘活動を行ったとして幹部が逮捕
- 2021年5月:AAIの思想に感化された者による襲撃事件が発生
- 場所:コロンボ、ネゴンボ、バティカロア
- 標的:外国人が利用するホテル3か所およびキリスト教会3か所
- 被害:250人以上が死亡(邦人1人含む)、500人以上が負傷(邦人4人含む)
- 犯行声明:ISILが発出
- 政府発表:地元イスラム過激組織「ナショナル・タウヒード・ジャマート」(NTJ)による犯行
- 首謀者:NTJのナンバー2、ナウファ・モウラヴィ
- 目的:スリランカにおけるISILの「カリフ国家」の「建国」
- 実行犯リーダー:ザハラン・ハシム
- ISIL支持者:国内に数百人が存在
- 2022年11月:米国が、アルカイダ支援者のスリランカにおける協力者としてスリランカ人1人を制裁対象に指定
- 2009年5月:スリランカ国内の組織は壊滅状態に
- 北部および東部:「LTTEの再建を企てた」などとして、関係者の摘発事案が散発的に続く
- 海外:2009年6月、国際部門責任者が後継者就任を表明し、海外在住タミル人に組織再建等を呼びかけ
- 2007年9月:スルタン・アフメット公園での爆弾テロ(邦人2人を含む12人が負傷)
- 「アンサール・アル・ムジャヒディン」を名のる組織が犯行声明を発出
- 2014年9月:ISILの旗を掲げた300人の群衆がイスラム法による「統治」を求めてデモ行進
- 外国人戦闘員(FTF):423人がイラク又はシリアへの渡航を試み、173人が実際に渡航
- FTFの中にはギャング団とのつながりを有する者が相当数存在するとの指摘あり
- 2015年:テロ対策法制定(紛争地域への渡航、戦闘行為への参加等を処罰の対象に)
- 2016年:国家テロ対策センター(NCTC)設立、「テロリズム及び過激主義に係る国家対策」が国会で承認
- 2020年2月:中国人2人およびオーストラリア人1人が刃物で負傷
- 2020年4月:警察等の船舶5隻が焼い弾で放火され、ISILが初めてモルディブにおけるテロ実行を主張
- 2020年11月:ISIL支持者6人が学校での爆弾テロを計画し逮捕
- 2021年5月:ナシード国会議長(元大統領)が自宅付近で爆弾テロに遭遇(6人負傷)
- 2022年11月:ISIL支持者とされる14人が、海外のイスラム過激組織と共謀し、モルディブ国内での爆弾テロを計画したとして逮捕
モルディブでは、アルカイダやISILの影響を受けたテロ事件や計画が散発的に発生しており、政府はテロ対策を強化しています。特に、外国人戦闘員の問題やギャング団との関連が懸念されています。
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パレスチナ解放機構(PLO)関連
- 1972年5月:ロッド国際空港銃乱射事件(24人死亡)
- 1972年9月:ミュンヘンオリンピック選手村襲撃事件(イスラエル選手団11人を含む12人死亡)
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ハマス
- ガザ地区を主な拠点とし、自爆テロやロケット弾攻撃を実行
- 2021年5月:イスラエルとの大規模な軍事衝突(パレスチナ側256人、イスラエル側13人死亡)
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パレスチナ・イスラミック・ジハード(PIJ)
- ハマスと同様にガザ地区を拠点とし、テロ活動を展開
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アル・アクサ殉教者旅団(AAMB)
- PLO主流派「ファタハ」傘下の組織
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エルサレム周辺のムジャヒディン・シューラ評議会(MSC)
- 2012年に出現、ガザ地区やエジプト北東部・シナイ半島からイスラエル領内へのロケット弾攻撃を実行
- 2015年5月:「ハマス」が拘束するイスラム過激主義者らの解放を要求
- 2017年6月:エルサレム旧市街でのイスラエル警察官襲撃事件でISIL名の犯行声明
- 2017年8月:ガザ地区南部・ラファでのISILメンバーによる自爆事件
- 2022年3月:イスラエル北部・ハデラでの銃撃事件でISIL名の犯行声明
- 2022年:ヨルダン川西岸地区で武装組織が活発に活動
- 北部・ナブルスで「獅子の巣窟」と自称する新たな組織が出現
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イラク・レバントのイスラム国(ISIL)
- 2013年:北部・ラッカ県、東部・デリゾール県等に支配地域を構築
- 2019年3月:最後の支配地を喪失
- 現在:デリゾール県、ラッカ県、中部・ホムス県等で散発的にテロを実行
- 2022年1月:北東部・ハサカ県ハサカのアル・シナア収容所襲撃事件
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タハリール・アル・シャーム機構(HTS)(元ヌスラ戦線)
- 2012年1月:アル・ゴラニを最高指導者として設立
- 北西部・イドリブ県を中心に活動
- 2020年3月:トルコとロシアの停戦合意以降、シリア政府軍との大規模な戦闘は発生せず
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アルカイダ関連組織
- フッラース・アル・ディーン(HAD):2018年2月に設立
- 2020年3月以降:HTSからの圧力や米軍による幹部殺害により活動が停滞
- 2021年:ラッカ県でのロシア軍拠点に対する自爆テロ、ダマスカスでの軍用バス爆破事件の犯行声明を発出
- ISIL:支配地喪失後も散発的にテロを実行
- HTS:イドリブ県南部で小康状態が続く
- アルカイダ関連組織:活動が制限されるも、散発的にテロを実行
シリアでは、複数のテロ組織が活動を継続しており、特にISILとHTSの動向が注目されています。政府軍やロシア、トルコなどの外国勢力も介入する中、テロ組織の活動は制限されつつも、完全には収束していない状況です。
- イラク・レバントのイスラム国(ISIL)
- 2004年10月:イラクのアルカイダ(AQI)として設立
- 2014年6月:北部の広域を占拠、「カリフ国家」樹立を宣言
- 2017年7月:モースル完全解放宣言
- 2017年11月:イラクにおける全ての支配地を喪失
- 2011年12月:駐留米軍撤退後、徐々に勢力を回復
- 2014年1月:アンバール県ファルージャを占拠
- 2014年6月:ニナワ県モースルを含む北部の広域を占拠
- 2014年8月:米国等による空爆開始
- 2015年〜2017年:主要都市を相次いで失う
- 2018年以降:バグダッド一帯、キルクーク県、サラーハッディーン県、ニナワ県、東部・ディヤーラ県等で継続的にテロを実行
- テロの標的:治安部隊、治安部隊に協力する住民、シーア派住民等
- テロ件数:2020年をピークに減少傾向
-
アラブ地域(南西部・フーゼスターン州)
- アフワーズ解放機構(ALO)等によるインフラ施設等へのテロ
-
クルド地域(北西部および西部のイラク国境地域)
- ペジャーク(PJAK)による治安当局への襲撃
-
バルーチ地域(南東部・シスタン・バルチスタン州)
- ジュンダラ、ハラカト・アンサール・イラン(HAI)、ジャイシュ・アル・アドル(JAA)等による治安当局やシーア派宗教施設等へのテロ
- 2010年7月:ジュンダラによるイスラム革命防衛隊(IRGC)関連行事を標的とした自爆テロ(27人死亡)
- 2018年12月:アンサール・アル・フルカン(AF)によるチャーバハールの警察署付近での自動車爆弾自爆テロ
- 2015年および2016年:ISIL関連の組織やテロ計画が摘発
- 2017年6月:テヘランの国会事務所建物内およびイマーム・ホメイニ廟周辺での銃撃・自爆テロ事件(ISILが犯行声明)
- 2018年9月:フ-ゼスターン州アフワーズでの軍事パレード銃撃事件(ISILが犯行声明)
- 2022年10月:南部・ファールス州シーラーズでのシャー・チェラーグ廟銃撃事件(ISILが犯行声明)
- イラン政府は同国におけるアルカイダメンバーの存在を否定
- 2020年8月:テヘランでアルカイダナンバー2のアブドゥッラー・アフメド・アブドゥッラーとその娘がイスラエルの工作員により殺害されたとの報道
- アルカイダ最高指導者アイマン・アル・ザワヒリの後継者とされるサイフ・アル・アデルらがイラン国内に滞在しているとの指摘
イランでは、地域ごとに異なるテロ組織が活動しており、特にバルーチ地域での活動が活発です。また、ISILによるテロも発生しています。アルカイダについては、イラン政府は存在を否定していますが、指導者級の人物がイラン国内に滞在しているとの指摘もあります。
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イラク・レバントのイスラム国(ISIL)
- 2015年7月以降:国内でISILメンバーやISIL支持者によるとされる事件が増加
- 2016年6月:イスタンブールのアタチュルク国際空港での銃撃及び自爆テロ
- 2017年1月:イスタンブールのナイトクラブ銃撃事件(初のISIL名の犯行声明)
- 2018年以降:大規模なテロは発生していないが、摘発事案は継続
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クルド労働者党(PKK)
- 1984年:「クルド人国家の樹立」を掲げて武装闘争を開始
- 2013年3月:停戦を宣言
- 2015年7月以降:停戦が崩壊し、東部及び南東部を中心に襲撃事件等を継続
- 2020年9月:ISILの「トルコ州知事」とされるマフムト・オズデンを拘束
- 2021年10月:ISILの「代表委員会」委員長サミ・ジャシム・モハマド・アル・ジャブリを逮捕
- 2022年9月:ISIL上級幹部バシャール・ハッターブ・ガザル・アル・スマイダイを拘束
- 2003年11月:イスタンブールでのユダヤ教会付近自爆テロや英国総領事館等に対する連続自爆テロ
- 2008年7月:在イスタンブール米国総領事館を標的とした襲撃事件
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アブドラ・アッザム旅団(AAB)
- 2009年2月:イスラエルに対するロケット弾攻撃
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イラク・レバントのイスラム国(ISIL)
- 2015年11月:ベイルート南郊の繁華街における連続自爆テロ(43人以上死亡、240人以上負傷)
- 2016年6月:北部・アル・カーアにおける連続自爆テロ
- 2019年6月:北部・北レバノン県トリポリでの銀行、警察署及び軍車両に対する襲撃事件(4人死亡)
- 2020年8月及び9月:北部・北レバノン県での治安部隊の検問所等襲撃
- 2022年12月:「ISILレバノン」名での画像公開
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ヌスラ戦線(現タハリール・アル・シャーム機構(HTS))
- 2014年8月:北東部・ベッカー県アルサル占拠事件
- 2013年以降:シーア派組織「ヒズボラ」のシリア政府支援を受け、スンニ派過激組織による「ヒズボラ」を標的とした攻撃が増加
- 2014年8月:シリア反体制派勢力の幹部拘束を受け、ISIL、ヌスラ戦線等がレバノン領内に侵入
- 2014年8月:アルサルからのISIL、ヌスラ戦線等の撤退
- 2016年9月:アルサル郊外の山岳地帯でISIL掃討作戦を開始
レバノンでは、シリア内戦の影響を受けて様々なテロ組織が活動しており、特にISILによるテロが目立ちます。レバノン軍による掃討作戦が行われていますが、テロの脅威は依然として継続しています。
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パレスチナ解放機構(PLO)
- 1971年:ヨルダン政府によって国内から一掃
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イラク・レバントのイスラム国(ISIL)
- 2016年6月:シリア国境付近の北東部・マフラク県ルクバンのヨルダン軍関連施設付近で自動車爆弾テロ
- 2016年12月:中部・カラク県カラクでの警察官襲撃及びカラク城立て籠もり事件
- 2017年1月:南部・マアーン県でのヨルダン軍兵士射殺事件
- 2018年8月:北西部・バルカ県での音楽祭警備車両爆破事件
- 2019年11月:北部・ジェラシュ県での観光客襲撃事件
- 1960年代:反政府活動の活発化
- 1999年:アブ・ムサブ・アル・ザルカウィの釈放と活動再開
- 2002年10月:米国人外交官殺害事件
- 2005年8月:アカバ湾での米国艦船を標的とするロケット弾発射事件
- 2005年11月:首都アンマンのホテル3か所に対する連続爆弾テロ
- 2005年以降:大規模な爆弾テロ等は発生していなかったが、2016年以降ISIL支持者によるテロが散発的に発生
- ヨルダン政府による対テロ対策の強化
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アルカイダ
- 1995年:首都リヤドで米国人らを標的とした爆弾テロ
- 2003年5月:アルカイダ系組織による爆弾テロを機に、テロリストに対する摘発強化
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アラビア半島のアルカイダ(AQAP)
- 2009年1月:イエメンで設立、サウジアラビアをテロの標的として名指し
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イラク・レバントのイスラム国(ISIL)
- 2015年5月:東部・東部州で自爆テロ(「ナジュド州」名の犯行声明)
- 2016年7月:西部・マッカ州ジッダ所在の米国総領事館付近での自爆テロ
- 2019年4月:首都リヤド近郊での治安部隊銃撃事件
- 2020年11月:ジッダでの第一次世界大戦終結記念式典を標的とした爆弾テロ(「アル・ヒジャーズ州」名の犯行声明)
- 2004年:「アラビア半島のアルカイダ」(現在のAQAPとは別組織)の壊滅
- ISIL関係者に対する継続的な摘発作戦の実施
- 2016年10月:FIFAワールドカップ予選試合会場を標的としたテロ計画の摘発
- 2017年6月:マッカのイスラム教聖地に対するテロ計画の摘発
- 約3,200人がISIL等に参加する目的でイラク又はシリアに渡航
- 2017年時点で約760人が帰国
サウジアラビアでは、アルカイダやISILによるテロの脅威が継続しており、政府は積極的な対テロ対策を実施しています。特に、ISILに関連したテロ事件や計画の摘発が目立ちます。また、外国人戦闘員の帰国問題も課題となっています。
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アル・アシュタル旅団(AAB)
- 2014年3月:首都マナーマで爆弾テロを実行
- 2017年1月:マナーマでの警察官襲撃で犯行声明を発出
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ガーセム・ソレイマニ旅団
- 2020年9月:イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)の支援を受けたテロ計画が摘発
- 2020年9月:バーレーンとアラブ首長国連邦がイスラエルとの国交正常化に合意
- アルカイダが米国及びイスラエル権益への攻撃を呼びかけ
- 2020年11月:イランの指示による新たなテロ組織の設立等に関与したとして51人に有罪判決
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イラク・レバントのイスラム国(ISIL)関連組織
- 2015年3月:首都サヌアのモスクで自爆攻撃(「サヌア州」名の犯行声明)
- その後、「ハドラマウト州」「シャブワ州」「アデン・アブヤン州」「アル・バイダ州」「イエメン州」等の名で活動
- 2022年7月:中部・アル・バイダ州で「イエメン州」が「フーシー派」の車列に自爆攻撃
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アラビア半島のアルカイダ(AQAP)
- 2011年5月:「アンサール・アル・シャリーア」(AAS)の名で活動を活発化
- 2015年4月:東部・ハドラマウト州都ムカッラを占拠
- 2016年以降:イエメン軍及びサウジアラビア主導の連合軍による掃討作戦で後退
- 現在:中部・アル・バイダ州、アブヤン州、シャブワ州等一部地域でテロ活動を継続
- 2011年:「アラブの春」の影響を受けた反政府運動の活発化
- 2014年9月:「フーシー派」が首都サヌアの政府施設を占拠
- イエメン軍等による掃討作戦の強化
- ISIL関連組織のテロは2020年8月以降停止していたが、2022年7月に再開
- AQAPは活動範囲を縮小しつつも、一部地域でテロ活動を継続
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アンサール・バイト・アル・マクディス(ABM)
- 2014年11月:ISILに忠誠を表明し、「シナイ州」に改称
- 2015年10月:ロシア旅客機墜落事件(224人死亡)
- 治安当局、コプト教徒、地元住民を標的としたテロを実行
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ISILエジプト
- 2015年11月:ギザ県のピラミッド付近での検問所銃撃事件等で犯行声明
- 1979年:イスラエルと国交樹立、国内外から反発
- 1981年:サダト大統領暗殺事件
- 2011年2月:ムバラク大統領辞任、政治的混乱でテロ対策が手薄に
- 2018年2月:シナイ半島で大規模なテロリスト掃討作戦を実施
- ISILの「シナイ州」は多くのメンバーを喪失
エジプトでは、特に北東部・シナイ半島でISIL関連組織「シナイ州」による活動が活発でしたが、政府の掃討作戦により弱体化しています。しかし、首都近郊を含む他の地域でもテロの脅威は継続しています。
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アルカイダ
- 2002年4月:ジェルバ島のユダヤ教礼拝堂付近での自爆テロ(21人死亡)
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チュニジアのアンサール・アル・シャリーア
- 2012年9月:在チュニジア米国大使館襲撃事件に関与
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ウクバ・ビン・ナフィ旅団(イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ(AQIM)傘下組織)
- 2012年12月頃から:西部・シャンビ山で治安部隊への襲撃や爆弾テロを散発的に実行
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イラク・レバントのイスラム国(ISIL)関連
- 2015年3月:首都チュニスでの博物館銃撃事件(邦人3人を含む外国人21人が死亡)
- 2015年6月:北部・スース県でのリゾート・ホテル銃撃事件(外国人38人が死亡)
- 2016年3月:南東部・メドニン県ベン・ゲルダンでの軍兵舎等襲撃事件
- 2011年:「ジャスミン革命」による政変
- 約3,000人がイラク又はシリアに渡航してISIL等に参加
- 3分の2が死亡又は拘束、800人が既に帰国
- 治安当局の取締り強化により、国内でのイスラム過激組織の活動は減少
- 西部の山間部や都市部で散発的にテロが発生
- 2018年10月:ISILメンバーによる自爆テロ
- 2019年6月:在チュニジア・フランス大使館付近等での連続自爆テロ
- 2020年9月:北部・スース県での治安当局者銃撃事件
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武装イスラム集団(GIA)
- 1990年代前半:アフガニスタンからの帰還者らによって設立
- 1998年までに10万人以上が犠牲に
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宣教と戦闘のためのサラフィスト・グループ(GSPC)
- 1998年:GIAの元司令官ハサン・ハッターブが設立
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イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ(AQIM)
- 2007年1月:GSPCが改称
- 2007年12月:首都アルジェでの国連事務所及び憲法裁判所を標的とした同時自爆テロ等を実行
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西アフリカ統一聖戦運動(MUJAO)
- 2011年10月:西部・ティンドフ県の西サハラ難民キャンプで人道支援活動家3人を誘拐
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覆面旅団
- 2013年1月:南部・イリジ県イナメナス近郊の天然ガス関連施設襲撃事件(邦人10人を含む多数が死亡)
- 2014年9月:北部・ティジウズ県でフランス人登山家を誘拐、殺害
- 約170人がイラクやシリアに渡航したとの指摘あり
- 1999年以降:ブーテフリカ大統領(当時)による恩赦と掃討作戦で治安情勢が改善
- AQIMやMUJAO等の一部勢力は山岳地帯に残存し、抵抗を続ける
アルジェリアでは、1990年代に深刻なテロの脅威に直面しましたが、政府の対策により状況は改善しています。しかし、AQIM等の組織は依然として活動を続けており、特に山岳地帯での警戒が必要です。また、ISILの影響も見られ、外国人戦闘員の問題も懸念されています。
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モロッコ・イスラム戦闘集団(GICM)
- 2003年5月:カサブランカでの同時自爆テロ(33人死亡)に関与
- 2004年:スペイン・マドリードでの列車同時爆弾テロに関与
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アルカイダ支持者
- 2007年:カサブランカの米国総領事館を標的とした自爆テロ
- 2011年:マラケシュのカフェでの爆弾テロ
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イラク・レバントのイスラム国(ISIL)関連
- 2018年12月:マラケシュ付近の山岳地帯でノルウェー人及びデンマーク人の女性観光客2人殺害事件
- 北部・フェズやスペイン領セウタ及びメリリャでISILメンバーのリクルート等に関する摘発事案が発生
- 2014年6月のISILによる「カリフ国家」の「建国」宣言以降:
- 1,654人がイラク又はシリアに渡航してISIL等に参加
- 270人が既に帰国
- 2014年以降:ISILと関連を有する組織のテロ計画が摘発される
- モロッコ治安当局による積極的な取締り
モロッコでは、過去にGICMやアルカイダ支持者によるテロが発生しましたが、近年はISIL関連の脅威が主となっています。特に、外国人観光客を標的としたテロや、ISILへの参加を目的とした自国民の渡航が問題となっています。政府は積極的な対テロ対策を実施していますが、帰国した戦闘員への対応も課題となっています。
- 1991年から1996年:オサマ・ビン・ラディン(当時のアルカイダ最高指導者)が滞在
- 2014年6月のISILによる「カリフ国家」の「建国」宣言以降:
- 約100人のスーダン人がリビアのISIL関連組織に参加したとされる
- 2021年9月:首都ハルツーム南部でISIL関連組織の拠点を捜索し、11人を拘束
スーダンは過去にアルカイダとの関係が指摘されていましたが、近年はISIL関連組織の活動が懸念されています。政府は取締りを強化していますが、リビアなど近隣国のISIL関連組織との関係が問題となっています。
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ボコ・ハラム
- 2015年2月:西部・ラク州で襲撃事件発生
- 2015年:首都ンジャメナで複数回の自爆テロを実行
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イラク・レバントのイスラム国(ISIL)関連組織「西アフリカ州」
- チャド湖周辺で民間人、治安当局等を対象にしたテロを実行
- 2021年3月及び4月:西部・ラク州での軍基地及び艦船襲撃事件の犯行声明を発出
- 都市部でのテロは減少傾向
- 西部・チャド湖周辺では依然としてボコ・ハラムとISIL「西アフリカ州」によるテロが継続
チャドでは、特に西部地域でボコ・ハラムとISIL関連組織「西アフリカ州」によるテロの脅威が継続しています。都市部でのテロは減少していますが、チャド湖周辺地域では依然として警戒が必要な状況です。
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イスラム・ムスリムの支援団(JNIM)
- 「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ」(AQIM)の傘下組織等で構成
- 南西部・ティラベリ県トロディ以西から隣国ブルキナファソとの国境にかけての地域を中心に活動
- 2017年7月:中部・タウワ県で治安当局拠点を襲撃
- 2018年11月:ティラベリ県でニジェール軍基地を襲撃
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ISIL関連組織「サヘル州」(「ISIL大サハラ」)
- 南西部・ティラベリ県等で活動
- 2017年10月:米軍特殊部隊及びニジェール軍合同部隊を襲撃
- 2020年1月:同国軍基地を襲撃
- 2020年8月:フランス人援助団体関係者を襲撃
- 2021年1月及び3月:ティラベリ県及び西部・タウア県で集落を襲撃(100人以上死亡)
- 2021年6月:首都ニアメで国民議会議長の居宅を襲撃
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ISIL関連組織「西アフリカ州」
- 南東部のディファ県で活動
- 主に治安当局に対するテロを実行
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ボコ・ハラム
- 南東部で活動
- フランス軍の一部がマリから撤退し、ニジェールに駐留
ニジェールでは、複数のテロ組織が活動しており、特に南西部と南東部で脅威が高まっています。JNIM、ISIL関連組織、ボコ・ハラムなどが、治安当局や民間人を標的としたテロを繰り返し実行しています。また、フランス軍の駐留により、今後の治安情勢の変化が注目されています。
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イスラム・ムスリムの支援団(JNIM)
- 2017年3月:設立
- 北部及び中部で、治安当局、国連マリ多面的統合安定化ミッション(MINUSMA)部隊等を標的としたテロを実行
- 2020年10月:マリ暫定政権との交渉により、拘束していた人質4人と暫定政権が拘束していた同組織メンバーら約200人を交換
- 2021年2月:マリ軍に対する襲撃事件を実行
- 2021年6月:フランス軍やMINUSMAに対する自爆テロを実行
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ISIL関連組織「サヘル州」
- 北部でトゥアレグ族と対立する勢力を襲撃
- 東部でJNIMと散発的に衝突し、勢力争いを繰り広げる
- 2012年1月:「アザワド解放国民運動」(MNLA)等が政府に対する攻勢を開始
- 2013年1月:イスラム過激組織が南部へ向けて侵攻を開始、フランスが軍事介入
- 2015年1月以降:首都バマコでもテロが発生
- マリ暫定政権がロシアとの関係を強化
- 2022年8月:フランス軍がマリから撤退、一部をニジェールへ移動
マリでは、JNIMとISIL関連組織「サヘル州」が主要なテロ組織として活動しています。特に北部と中部での脅威が高く、首都バマコでもテロが発生しています。また、マリ政府とロシアの関係強化により、フランス軍が撤退するなど、治安情勢に影響を与える政治的な動きも見られます。
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イスラム・ムスリムの支援団(JNIM)
- 2016年1月:首都ワガドゥグで、欧米人が多く利用するホテルを襲撃
- 2018年3月:ワガドゥグの軍本部及びフランス大使館を標的とするテロを実行
- 2021年4月:東部森林保護区で、軍兵士、森林局レンジャー、欧州出身の報道関係者を襲撃(3人死亡)
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アンサールル・イスラム
- 2016年末から北部で活動開始
- フルベ族出身のマラム・イブラヒム・ディコが設立
- 2017年5月:ディコ死亡、弟のジャファル・ディコが後継
- 北部を中心に活動
- 治安当局、外国人を標的とするテロが多い
- テロ組織の活動が活発化
- 森林保護区など、新たな地域でのテロも発生
ブルキナファソでは、JNIMやアンサールル・イスラムなどのテロ組織が活動を強化しており、特に北部での脅威が高まっています。首都や東部でのテロも発生しており、国全体で治安状況が悪化しています。
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ボコ・ハラム
- 2009年以降:北東部を中心に、政府関係者、軍部隊、キリスト教徒等を標的としたテロを多発
- 2014年4月:ボルノ州で200人以上の女子学生を誘拐
- 2014年8月:北東部の一部を占領してイスラム法による「統治」を宣言
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イラク・レバントのイスラム国(ISIL)関連組織「西アフリカ州」
- 2015年3月:ボコ・ハラム最高指導者アブバカル・シェカウがISILに忠誠を誓う
- その後、ISILがアブ・ムスアブ・アル・バルナウィを「西アフリカ州」指導者に指名し、シェカウと対立
- 2021年5月:ボルノ州でボコ・ハラムの拠点を襲撃、シェカウが自爆して死亡
- 2022年:500件以上のテロを記録(ISILが発表した関連組織による各国テロ件数で最多)
- ボコ・ハラム:シェカウ死亡後、多くのメンバーがナイジェリア及びカメルーン当局に投降、一部は「西アフリカ州」に吸収
- 「西アフリカ州」:テロを活発化
- 2022年:ボコ・ハラムのメンバーがボルノ州バマ地区を中心に再起、「西アフリカ州」と散発的に衝突
ナイジェリアでは、ボコ・ハラムとISIL関連組織「西アフリカ州」が主要なテロ組織として活動しています。ボコ・ハラムは弱体化しつつありますが、「西アフリカ州」はテロ活動を活発化させています。特に北東部での脅威が高く、政府は対テロ作戦を継続しています。
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ボコ・ハラム
- 2013年頃から北部・極北州のチャド湖周辺で活動
- 民間人等に対するテロを実行
- 2022年中も極北州の村を襲撃し、住民を殺害する事件が複数発生
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イラク・レバントのイスラム国(ISIL)関連組織「西アフリカ州」
- 2018年以降、極北州でテロを散発的に実行
- 2022年8月:極北州の村を襲撃し、キリスト教徒を殺害
- ボコ・ハラム最高指導者アブバカル・シェカウの死亡(2021年5月)後も、同組織によるテロは散発的に発生
- 「西アフリカ州」も活動を継続
カメルーンでは、主に北部・極北州でボコ・ハラムとISIL関連組織「西アフリカ州」によるテロの脅威が継続しています。両組織とも村落への襲撃や住民の殺害を繰り返しており、特にチャド湖周辺地域での警戒が必要な状況が続いています。
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民主同盟軍(ADF)
- イスラム過激組織の一つ
- 東部地域を中心に活動
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イラク・レバントのイスラム国(ISIL)関連組織「中央アフリカ州」
- 2019年4月:東部・北キブ州ベニでの襲撃事件(4人死亡)で初めて犯行声明を発出
- 2022年8月:北キブ州ブテンボ市でカクワンゴラ中央刑務所を襲撃(800人以上の収監者を脱獄させる)
- 北キブ州及び北東部・イトゥリ州でキリスト教徒の村を繰り返し襲撃
- 100以上の武装組織が活動
- 2010年:国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)の開始
- ADFやISIL「中央アフリカ州」によるテロが継続して発生
コンゴ民主共和国では、特に東部地域でADFやISIL関連組織「中央アフリカ州」による脅威が高まっています。キリスト教徒の村への襲撃や刑務所襲撃など、大規模なテロ事件が発生しており、治安状況の改善が課題となっています。
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オロモ解放戦線(OLF)
- 中部及び南部に多く居住するオロモ族の民族自決を主張
- 2018年:政府がテロ組織指定を解除
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アル・シャバーブ
- ソマリアを拠点とするアルカイダ関連組織
- エチオピアを敵視し、攻撃対象として名指し
- 2022年7月:エチオピア南東部・ソマリ州に越境攻撃(警察官17人を殺害)
- 2008年9月:日本人女性医師らがオガデン地域で誘拐される事件(2009年1月解放)
- 2013年10月:首都アディスアベバでアル・シャバーブによる爆弾テロ
- OLFは平和路線を望む動きが強まり、2018年にテロ組織指定を解除
- アル・シャバーブによる越境攻撃の発生
- エチオピア治安当局は、アル・シャバーブがOLFと関係を構築しようとしていたとの見方を示す
エチオピアでは、国内の分離独立運動に関連したテロの脅威は低下していますが、隣国ソマリアを拠点とするアル・シャバーブによる越境攻撃が新たな脅威となっています。政府は、国内組織とアル・シャバーブの関係構築を警戒しています。
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アル・シャバーブ
- アルカイダ関連組織
- 2012年2月:アルカイダへの忠誠を表明
- 政府、AMISOM(アフリカ連合ソマリア・ミッション)部隊、国連や外国の関連施設を標的にテロを実行
- 2022年10月:モガディシュの教育省前で自動車爆弾テロ
- 2022年11月:モガディシュの大統領官邸に近接するホテルを襲撃
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イラク・レバントのイスラム国(ISIL)関連組織「ソマリア州」
- 2015年10月:アブドゥル・カディル・ムミンがISILへの忠誠を表明
- 2016年10月:プントランドの港湾都市カンダラを一時占拠
- 2018年:ISILが正式に「ソマリア州」として認知
- モガディシュを含む南部で治安当局等を標的としたテロを増加
- 1991年:社会主義政権崩壊後、内戦状態に
- 2006年:イスラム法廷連合(UIC)がモガディシュを制圧
- 2009年1月:「アラビア半島のアルカイダ」(AQAP)設立
- 2022年6月:モハムッド大統領就任、アル・シャバーブの撲滅を目指すと宣言
- アル・シャバーブによるテロが依然として頻発
- 「ソマリア州」は、アル・シャバーブやソマリア軍、AMISOM、米アフリカ軍による攻勢を受けて勢力を減退させたが、プントランド及びモガディシュで小規模な勢力を維持
ソマリアでは、アル・シャバーブが主要なテロ組織として活動を続けており、首都モガディシュを含む各地でテロを頻発させています。一方、ISIL関連組織「ソマリア州」も活動していますが、勢力は限定的です。政府は対テロ対策を強化していますが、依然として治安状況の改善が大きな課題となっています。
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アルカイダ
- 1998年8月:在ケニア米国大使館爆破テロ事件(229人死亡、5,000人以上負傷)
- 2002年11月:モンバサのイスラエル系ホテルでの自爆テロ及びイスラエル系航空機に対するミサイル攻撃
-
アル・シャバーブ
- 2013年9月:ナイロビ・ショッピングモール襲撃事件
- 2014年以降:北東部・マンデラ郡を中心に治安当局等を標的としたテロを続発
- 2019年1月:ナイロビのホテルやオフィスが入った複合施設へのテロ
- 2011年9月:ソマリア国内に軍を派遣し、アル・シャバーブ掃討作戦を開始
- 2012年2月:アフリカ連合ソマリアミッション(AMISOM)に部隊を派遣
- アル・シャバーブによるテロが継続
- 特に北東部やソマリアとの国境地域での脅威が高い
ケニアでは、主にソマリアを拠点とするアル・シャバーブによるテロの脅威が継続しています。政府は軍事的対応を強化していますが、特に北東部やソマリアとの国境地域でテロが続発しています。首都ナイロビでの大規模テロも発生しており、全土での警戒が必要な状況が続いています。
-
神の抵抗軍(LRA)
- 北部で活動していたキリスト教過激組織
- 2006年以降、国外に拠点を移し、ウガンダ国内でのテロは確認されていない
-
民主同盟軍(ADF)
- 2003年頃:コンゴ民主共和国に拠点を移動
- 2021年:首都カンパラで10月に爆弾テロ、11月に連続自爆テロを実行
- ISIL関連組織「中央アフリカ州」として活動を再開
-
アル・シャバーブ
- 2010年7月:首都カンパラでFIFAワールドカップ決勝戦観戦中の飲食店2軒で自爆テロ(76人死亡)
- ソマリアに展開するアフリカ連合ソマリアミッション(AMISOM)に軍隊を派遣
- アル・シャバーブの掃討作戦に参加
- ADFがISIL関連組織「中央アフリカ州」として活動を再開
- 首都カンパラでのテロ事件発生
ウガンダでは、かつて国内で活動していたLRAやADFの脅威は低下していましたが、近年ADFがISIL関連組織として活動を再開し、首都でのテロ事件が発生しています。また、ソマリアのアル・シャバーブによるテロの脅威も継続しており、AMISOMへの参加によってウガンダがテロの標的となるリスクも指摘されています。
- 1998年8月:アルカイダによる在タンザニア米国大使館爆破テロ(ケニアでの同時テロと合わせて229人死亡、5,000人以上負傷)
- 2012年以降:ザンジバル、北東部・アルーシャ州等での爆発、襲撃事件等が発生
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アル・シャバーブ
- 2013年10月:南東部・ムトワラ州で訓練キャンプを運営していた関係者10人以上が逮捕
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イラク・レバントのイスラム国(ISIL)関連組織「中央アフリカ州」
- 2020年10月:タンザニア南東部・ムトワラ州の同国軍施設に対する襲撃事件で初の犯行声明
- 2021年8月:ダルエスサラームでISILのプロパガンダの影響を受けた人物による警察官等銃撃事件
- 隣国モザンビーク北部での「中央アフリカ州」の活動拡大に伴い、タンザニアへの影響が懸念されている
タンザニアでは、過去にアルカイダによる大規模テロが発生しましたが、近年はアル・シャバーブやISIL関連組織「中央アフリカ州」の活動が懸念されています。特に隣国モザンビークでの「中央アフリカ州」の活動拡大に伴い、タンザニア南部での警戒が必要となっています。また、ISILのプロパガンダの影響を受けた個人によるテロ事件も発生しており、多面的な対策が求められています。
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アフル・スンナ・ワル・ジャマア(ASWJ)
- 2017年頃から北部・カーボ・デルガード州でテロを頻発
- 2019年6月以降:ISIL関連組織「中央アフリカ州」として活動
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イラク・レバントのイスラム国(ISIL)関連組織「モザンビーク州」
- 2022年5月:ISILが「中央アフリカ州」から分離させ「モザンビーク州」として再編
- カーボ・デルガード州でキリスト教徒の村への襲撃を繰り返す
- 2022年10月:同州の鉱山事業所を襲撃し、操業を一時停止させる
- 2020年8月:モシンボア・ダ・プライア港を占拠
- 2021年3月:カーボ・デルガード州の天然ガス開発事業の開発拠点であるパルマを一時占拠
- ルワンダ等の周辺国が軍部隊を派遣してモザンビークの対テロ作戦を支援
- 2021年8月:ルワンダ軍及びモザンビーク軍の合同部隊がモシンボア・ダ・プライア港を解放
- ISILによる「モザンビーク州」の設立
- カーボ・デルガード州での襲撃が継続
- 経済活動への影響が懸念される
モザンビークでは、特に北部のカーボ・デルガード州でISIL関連組織「モザンビーク州」(旧「中央アフリカ州」)による活動が活発化しています。キリスト教徒の村への襲撃や経済活動を標的としたテロが続発しており、地域の安定と経済発展に大きな影響を与えています。政府は周辺国の支援を受けて対テロ作戦を展開していますが、テロの脅威は依然として高い状況が続いています。
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北アイルランド関連組織
- 暫定アイルランド共和軍(PIRA):1998年に和平合意、2005年に武装解除完了
- 真のIRA(RIRA)、継続IRA(CIRA)等:PIRAの分派組織として活動継続
- 新IRA:2012年設立、2019年のロンドン物流拠点爆発物送付事件等に関与
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イスラム過激組織関連
- 2005年7月:ロンドンの地下鉄等における自爆テロ(52人死亡)
- 2017年5月:マンチェスターのコンサート会場付近での自爆テロ(22人死亡)
- 2017年6月:ロンドン市内での車両突入及びレストラン等襲撃事件(8人死亡)
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極右過激主義関連
- 2022年10月:ドーバーの移民センターへの燃料爆弾投込み事件
- 新IRAによる活動継続(2021年4月:警察車両爆破未遂事件、2022年11月:警察車両爆破事件)
- イスラム過激主義及び極右過激主義に基づく「自発的なテロリスト」によるテロの脅威
- MI5長官による若者の極右過激主義思想への傾倒に対する懸念表明(2021年7月)
- 2022年11月:「起こりそうである」から「可能性がある」に引き下げ
英国では、北アイルランド関連のテロ組織、イスラム過激組織、極右過激主義者によるテロの脅威が継続しています。特に、組織との正式な関連を持たない「自発的なテロリスト」による攻撃が懸念されており、若者の過激化も問題となっています。政府はテロ警戒レベルを引き下げましたが、依然として警戒が必要な状況が続いています。
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直接行動(AD)
- 1985年1月:国防省高官殺害
- 1986年11月:ルノー自動車会長殺害
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武装イスラム集団(GIA)
- 1995年:パリの地下鉄サンミッシェル駅及び凱旋門駅での爆弾テロ
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アルカイダ関連
- 2015年1月:週刊紙「シャルリー・エブド」社襲撃事件
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イラク・レバントのイスラム国(ISIL)関連
- 2015年11月:パリ同時多発テロ事件
- 2016年7月:ニースでの群集への車両突入事件(84人死亡)
- 預言者ムハンマドの風刺画に関連したテロ
- 2020年9月:「シャルリー・エブド」社社員を標的としたテロ
- 2020年10月:風刺画を授業で使用した中学校教師斬首事件
- イスラム過激主義の影響を受けた個人によるテロ
- 2021年4月:パリ近郊・ランブイエの警察署での職員殺害事件
フランスでは、過去に極左組織やアルジェリアのイスラム過激組織によるテロが発生しましたが、近年はISIL関連のテロや、イスラム過激主義の影響を受けた個人によるテロが主な脅威となっています。特に、預言者ムハンマドの風刺画に関連したテロが社会に大きな影響を与えており、表現の自由とテロ対策のバランスが課題となっています。
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ドイツ赤軍派(RAF)
- 1972年5月:フランクフルトの米軍兵舎に対する爆弾テロ
- 1991年2月:在ドイツ米国大使館銃撃事件
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イスラミック・ジハード・ユニオン(IJU)
- 2007年9月:ドイツ国内の米軍基地等を標的とした爆弾テロ計画の摘発
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イラク・レバントのイスラム国(ISIL)関連
- 2016年7月:南部・ビュルツブルクを走行する列車内での乗客襲撃事件
- 2016年12月:ベルリン中心部でのクリスマスマーケットへのトラック突入事件
- 2019年10月:東部・ハレのユダヤ教礼拝施設周辺での襲撃事件
- 2020年2月:西部・ハーナウのシーシャバーでの外国人を標的とした銃撃事件
- 2022年12月:「帝国臣民」メンバーによるドイツ政府転覆計画の摘発
- ISILの影響を受けた者の摘発事案が継続
- 極右過激主義思想に基づくテロへの警戒
- インターネット上でのイスラム過激組織等のメッセージへのアクセス可能性に対する懸念
ドイツでは、過去に極左組織によるテロが発生しましたが、近年はISIL関連のテロや極右過激主義に基づくテロが主な脅威となっています。当局は、オンライン上での過激思想の拡散に警戒を強めており、特に極右過激主義思想に基づくテロへの対応を課題としています。
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アルカイダ関連
- 2000年代初頭:パキスタンの「アルカイダ」訓練キャンプにメンバーを送り込む
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イラク・レバントのイスラム国(ISIL)関連
- 2014年5月:ブリュッセルのユダヤ博物館銃乱射事件(4人死亡)
- 2016年3月:ブリュッセルの空港及び地下鉄駅での連続テロ事件
- 2017年6月:ブリュッセル中央駅での爆発物を用いたテロ
- ISILに関連したテロの発生は確認されていない(2018年以降)
- 未成年者の摘発事案が相次ぐ
- 2020年10月:ISILに忠誠を誓う動画を撮影していた少年2人が逮捕
- 2021年1月及び2月:テロを計画していた少年4人が逮捕
ベルギーでは、2000年代にアルカイダ関連の活動が見られ、2010年代にはISIL関連のテロが発生しました。近年は大規模なテロは発生していませんが、ISILに影響を受けた若者の摘発事案が続いており、若年層の過激化が懸念されています。
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バスク祖国と自由(ETA)
- 1960年代以降:スペイン治安機関等を標的とするテロを実行
- 2006年12月:マドリード国際空港駐車場での自動車爆弾テロ
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アルカイダ関連
- 2004年3月11日:マドリードでの列車同時爆弾テロ(191人死亡)
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イラク・レバントのイスラム国(ISIL)関連
- 2017年8月:バルセロナ及び北東部・カンブリスでの車両突入事件
- 2018年以降:ISIL、アルカイダ等のイスラム過激組織に関連したテロの発生は確認されていない
- ISILの外国人戦闘員(FTF)を支援するための資金援助に関与した者の拘束が相次ぐ
- FTFの摘発事案が散見される
- 2020年4月:英国出身者が逮捕
- 2021年1月:ISILメンバーとしてアルジェリア等を拠点として活動していた男が逮捕
スペインでは、かつてETAによる分離独立運動関連のテロが主な脅威でしたが、2000年代以降はアルカイダやISIL関連のテロが発生しました。近年は大規模なテロは発生していませんが、ISILの外国人戦闘員に関連した資金援助や、帰還した戦闘員の摘発事案が続いており、これらへの対応が課題となっています。
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赤い旅団(BR)
- 1978年5月:モロ・イタリア元首相誘拐・殺害事件
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新赤い旅団・戦闘的共産主義者中核(NBR-NCC、別称「新赤い旅団」)
- 1993年9月:米軍基地に対する小火器及び手りゅう弾によるテロ
- 1994年1月:NATO防衛大学での爆弾テロ
- 1999年5月:労働相顧問殺害
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非公式アナキスト連盟(FAI)
- 2017年12月:ローマの警察署周辺での爆発物爆発事件
- 1990年代:アフガニスタンやボスニア内戦に志願者を送り込む
- 2003年以降:イラク等海外のテロ組織への支援やこれらの地域でのテロを目的としたグループが形成
- イスラム過激組織による大規模なテロは発生していない
- ISIL等イスラム過激組織に関連したテロ計画の摘発が継続
- 2020年7月:ISILの宣伝活動を拡散させ暴力的な攻撃の実行を奨励した容疑で男が逮捕
- 2020年11月:ISILの処刑動画や爆弾製造のマニュアルを所持するなどした容疑でイタリア人が逮捕
- 2021年1月:元「アルカイダ」メンバーのイタリア人が、イラク及びシリアにおけるテロ活動の容疑で逮捕
- 2021年7月:ISILで指導者的立場にあったとされるモロッコ人が逮捕
イタリアでは、過去に極左組織による大規模なテロが発生しましたが、近年はアナキスト系組織による小規模な事件が散発的に起きています。イスラム過激組織に関しては、大規模なテロは発生していないものの、ISIL等に関連したテロ計画の摘発や、過去に海外でテロ組織に関与した者の逮捕事案が継続しており、警戒が続いています。
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11月17日革命機構(EO17N)
- 1975年設立
- 2002年にほぼ解体
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革命的人民闘争(ELA)
- 1975年設立
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極左及びアナキスト勢力
- 2009年6月:アテネでの警察官射殺事件
- 2010年6月:公安省宛て小包爆弾爆発事件(1人死亡)
- 2010年11月:アテネの複数の外国公館や外国首脳宛ての小包爆弾事件
- 2014年以降:アテネ等の大都市で極左及びアナキスト勢力による爆弾テロが継続
- 2022年12月:アテネのイタリア大使館外交官の車両破壊事件(アナキストによる犯行声明)
- 2022年12月:警察官によるロマ人少年への発砲に抗議する大規模デモ(一部が暴徒化)
- アルカイダやISILを始めとするイスラム過激組織の存在は確認されていない
- 外国人戦闘員(FTF)の摘発事例あり
- ISILメンバーの逮捕事案
- 2020年1月:移民施設に収容されていたシリア人を逮捕
- 2021年7月:シリアからの帰還後にモロッコでテロを計画していたモロッコ人FTFを逮捕
- 2021年10月:イラク人の男を逮捕
ギリシャでは、過去に極左組織による大規模なテロが発生しましたが、現在は極左及びアナキスト勢力による小規模なテロが継続しています。イスラム過激組織の存在は確認されていませんが、外国人戦闘員の通過地点として利用される可能性や、ISILメンバーの潜伏に警戒が必要な状況です。
- 2010年12月:イラク出身のスウェーデン人による首都ストックホルムでの自爆テロ
- 2017年4月:ストックホルム中心部でのトラック突入事件(5人死亡)
- 2007年:預言者ムハンマドの風刺画掲載により、イラク・イスラム国(ISI、現ISIL)が風刺画作者等の殺害を呼びかけ
- 2008年:アルカイダがスウェーデンを攻撃対象の一つに指定
- 2018年7月:米国防総省が、スウェーデン等におけるテロを計画していたISILメンバーをシリアで殺害したと発表
- 2023年1月:在スウェーデン・トルコ大使館前でのコーラン焼却事件
- イスラム諸国政府やイスラム教徒からの抗議
- イスラム過激組織による報復テロの呼びかけ
スウェーデンでは、2000年代後半から預言者ムハンマドの風刺画問題をきっかけにイスラム過激組織の標的とされるようになりました。2010年代にはISIL関連のテロが発生し、近年も潜在的な脅威が続いています。特に、コーラン焼却事件をめぐる国際的な反応により、テロの脅威が高まっている可能性があります。
- 2011年7月:アンネシュ・ブレイビクによるオスロ官庁街自動車爆弾テロ及びウトヤ島銃乱射事件(77人死亡)
- 2019年8月:オスロ近郊のモスクでの銃発砲事件
- 2022年6月:オスロの繁華街での銃乱射テロ(2人死亡、21人負傷)
- 2000年代後半:ソマリアの「アル・シャバーブ」に参加した者の逮捕事案が続出
- 2014年5月:ISIL参加又はイスラム過激組織支援の容疑でノルウェー人3人が逮捕
- 2017年12月:ソマリア人難民がISILへの参加及びテロ組織への資金提供容疑で逮捕
- 極右過激思想に関連した事案の発生
- 2019年8月:オスロ近郊のモスクでの銃発砲事件
- 2019年11月:南部・クリスチャンサンでの反イスラム集会でのコーラン焼却事案
- 2020年8月:オスロでの反イスラム集会でのコーラン破損事案
ノルウェーでは、2011年の極右思想に基づく大規模テロ事件以降、イスラム過激組織関連のテロ脅威と極右過激主義に基づくテロの両方に警戒が必要な状況が続いています。特に、反イスラム的な行為がイスラム過激組織によるテロを誘発する可能性も懸念されており、社会の分断を防ぎつつテロ対策を進めることが課題となっています。
- 2005年9月:「ユランズ・ポステン」紙による預言者ムハンマドの風刺画掲載
- 2015年2月:コペンハーゲンでの集会会場及びユダヤ教礼拝堂襲撃事件
- 2016年8月:コペンハーゲンのクリスチャニア地区での治安当局に対する発砲事件
- 2008年:アルカイダによるデンマークへの攻撃呼びかけ
- 2012年5月:「アル・シャバーブ」の訓練キャンプに参加経験のあるソマリア出身のデンマーク人兄弟2人が逮捕
- 2014年9月:ISIL支援容疑でリビア出身の2人が逮捕
- 2019年12月:国内でのテロを企図した容疑で20人が逮捕
- 2021年2月:デンマーク及びドイツで、ISILの影響を受けた者を含む14人が逮捕
デンマークでは、2005年の預言者ムハンマドの風刺画掲載以降、イスラム過激組織の標的とされるリスクが高まりました。アルカイダやISILに関連したテロ事件や計画が発生しており、近年も潜在的な脅威が続いています。当局は国内外のテロ組織との関連を警戒しつつ、テロ対策を進めています。
- 2012年7月:ブルガスの空港でのイスラエル人観光客を標的とした爆弾テロ(6人死亡)
- 2007年2月:「異教徒に対するジハード」や「ブルガリアにおけるイスラム法に基づく国家の樹立」を呼びかけたブルガリア人4人が逮捕
- 2015年9月以降:ISILメンバーの拘束事案が断続的に発生
- 2016年7月:ドイツ南部・アンスバッハでの爆弾テロ実行犯がブルガリア経由でドイツに入国していたことが判明
- 2019年6月:中部・プロヴディフで、ISILに影響を受けて爆弾テロを計画していた学生が逮捕
- 2020年7月:2015年以降シリアに複数回渡航し、様々なイスラム過激組織の一員として戦闘に参加した男が逮捕
ブルガリアでは、2012年のイスラエル人観光客を標的としたテロ以降、大規模なテロは発生していませんが、ISILメンバーの拘束事案や、ISILの影響を受けた者によるテロ計画の摘発が続いています。また、シリアなどの紛争地域からの帰還戦闘員に対する警戒も必要な状況です。
- 2022年7月:政府がテロに関する報告書を公表
- 最大の脅威はイスラム過激主義
- 極右過激主義の台頭や陰謀論等に端を発する反政府運動が暴力及びテロに発展する可能性を指摘
- 2020年9月:トルコ系スイス人による対ISIL有志連合の民間人犠牲者への報復としてのポルトガル人殺害事件
- 2020年9月:ISILへの支援を呼びかけたスイスと北マケドニアの二重国籍者及びコソボ人が逮捕
- 2020年11月:ウィーンでの銃撃事件(4人死亡)、ISILが犯行声明を発出
- 2022年5月:2015年以降にISILに参加した経歴を持つ男が、SNS上で国家機関へのテロを呼びかけた容疑で逮捕
- 2020年10月のフランスでの教師斬首殺害事件後、複数国が国内在住チェチェン人に対し、アルカイダ及びISIL支持者とのつながりの有無等に関する調査を実施
- 北コーカサス地方及び中央アジア地域出身者や同地方及び地域出身者で構成されるネットワークによる「休眠小集団」の設立が確認されている
これらの国々では、ISILやその支持者によるテロの脅威が継続しています。また、極右過激主義の台頭や、特定の地域出身者によるテロ組織との関連も懸念されており、多面的なテロ対策が求められています。
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コーカサス首長国
- 2011年1月:モスクワ・ドモジェドボ国際空港テロ(35人死亡、約180人負傷)
- 2013年10月、12月:ボルゴグラードでの連続自爆テロ(41人死亡、110人以上負傷)
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イラク・レバントのイスラム国(ISIL)関連組織「コーカサス州」
- 2015年6月:設立
- 2015年10月:エジプト・シナイ半島上空でのロシア旅客機爆破事件に関与
- 2017年:サンクトペテルブルクの地下鉄爆破テロ(14人死亡、60人以上負傷)
- 2019年:チェチェン共和国でのテロ事件(「コーカサス州」が犯行声明)
- 2020年12月:カラチャイ・チェルケス共和国での自爆テロ(6人負傷)
- 2020年12月:チェチェン共和国での警察官襲撃事件(1人死亡、1人負傷)
- 中央アジアからの移民労働者がISILにリクルートされる事例
- ロシア極東地域でのISIL関連テロの発生(2017年4月:ハバロフスクのFSB庁舎銃撃事件)
ロシアでは、北コーカサス地方を中心にイスラム過激組織によるテロの脅威が継続しています。特に「コーカサス州」の活動が懸念されていますが、近年は大規模なテロの発生頻度は減少しています。一方で、中央アジアからの移民労働者のISILへの勧誘や、極東地域でのテロなど、新たな脅威も出現しています。
- ジュンド・アル・ヒラファ(JAK)
- 2011年10月:西部・アティラウ州での連続爆弾テロ
- 2012年3月:フランス南西部・トゥールーズ等での連続殺人への関与を主張
- 約700人のカザフスタン人が戦闘員等としてイラク又はシリアに渡航
- 700人以上が戦闘員及びその家族を含めてカザフスタンに帰国
カザフスタンでは、2010年代初頭にJAKによるテロが発生しましたが、近年は大規模なテロは確認されていません。一方で、多数のカザフスタン人がイラク・シリアに渡航してISILなどに参加した問題があり、これらの帰還者への対応が課題となっています。
- 1999年8月:ウズベキスタン・イスラム運動(IMU)による邦人技師4人誘拐事件
- 2010年11月〜12月:首都ビシュケクでの爆弾テロ等
- 2016年8月:ビシュケクの中国大使館に対する自爆テロ
- 2015年7月:ISILがキルギス人に対し「イスラム国」への移住を呼びかける映像を発出
- 2017年10月:ビシュケクでの警察官殺害事件(ISILが犯行を主張)
- 約850人のキルギス人が戦闘員等としてイラク又はシリアに渡航
- 2018年以降、紛争地域から帰国した戦闘員が複数拘束
キルギスでは、過去にIMUによるテロや誘拐事件が発生し、近年はISIL関連のテロも確認されています。また、多数のキルギス人がイラク・シリアに渡航してISILなどに参加した問題があり、帰還戦闘員への対応が課題となっています。
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ウズベキスタン・イスラム運動(IMU)
- 1998年:設立
- 1999年2月:首都タシケントでの連続爆弾テロに関与
- 2004年7月:タシケントの米国大使館及びイスラエル大使館に対する連続自爆テロ
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カティーバ・アル・タウヒード・ワル・ジハード(KTJ)
- シリアを主な拠点とする組織
- 2020年以降:関係者がウズベキスタン国内で逮捕される事案が複数発生
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カティーバ・イマーム・アル・ブハリ(KIB)
- シリア及びアフガニスタンで活動
- 2014年11月:「タリバン」最高指導者に忠誠を誓う声明を発出
- 2022年4月:ISIL関連組織「ホラサン州」が「アフガニスタンからウズベキスタン軍に向けてロケット弾を発射した」と主張
- 約1,500人がイラク又はシリアに戦闘員等として渡航
- 400人以上が政府の帰還事業により帰国
ウズベキスタンでは、1990年代後半から2000年代初頭にかけてIMUによる大規模なテロが発生しましたが、近年は国内でのテロ活動は減少しています。一方で、シリアやアフガニスタンを拠点とする組織の活動や、ISILへの参加者の問題が懸念されています。特に、帰還した戦闘員への対応が課題となっています。
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ジャマート・アンサルッラー(JA)
- 2010年:タジキスタン国内で治安当局に対する自爆テロや国軍襲撃等を実行
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イラク・レバントのイスラム国(ISIL)関連
- 2015年5月:内務省特殊任務機動部隊司令官がISILに加入し、タジキスタンにイスラム法に基づく国家樹立を宣言
- 2018年7月:南部・ハトロン州で欧米人観光客を標的とした襲撃事件(ISILの関与が指摘)
- 2019年5月:首都ドゥシャンベ近郊の刑務所での暴動(ISILの関与が指摘)
- 2019年11月:西部・共和国直轄地のウズベキスタンとの国境検問所への襲撃事件(ISILの関与が指摘)
- 2022年5月:「アフガニスタンからタジキスタン軍司令部に向けてロケット弾を発射した」と主張
- 約1,900人が戦闘員等としてイラク又はシリアに渡航
- 少なくとも戦闘員及びその家族510人が帰国
タジキスタンでは、内戦終結後も散発的にテロ事件が発生しており、特に2010年代後半からはISIL関連の事件が増加しています。また、多数のタジキスタン人がイラク・シリアに渡航してISILなどに参加した問題があり、帰還戦闘員への対応が課題となっています。さらに、隣国アフガニスタンの情勢変化に伴う影響も懸念されています。
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アルカイダ
- 2001年9月11日:米国同時多発テロ事件(約3,000人死亡)
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イラク・レバントのイスラム国(ISIL)関連
- 2015年12月:カリフォルニア州サンバーナディーノの障害者支援施設襲撃事件
- 2016年6月:フロリダ州オーランドのナイトクラブ銃乱射事件
- 2017年10月:ニューヨーク中心部での車両突入事件
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アラビア半島のアルカイダ(AQAP)関連
- 2019年12月:フロリダ州ペンサコラ海軍基地銃撃事件
- 2020年5月:テキサス州コーパスクリスティ海軍基地襲撃事件
- イスラム過激主義に起因するものの、テロ組織と直接的な関係を有しない者によるテロの発生
- 極右過激組織の活発化
- 2021年1月:首都ワシントンD.C.での連邦議会議事堂襲撃事件(FBIが「国内テロ」と認定)
- 2022年11月:中間選挙前の政治家、治安機関等への襲撃事件
- 「一匹狼」型テロへの対応
- オンラインでの過激化対策
- 極右過激主義への対応強化
- 帰還した外国人戦闘員(FTF)への対応
米国では、2001年の同時多発テロ以降、アルカイダやISILなどのイスラム過激組織によるテロの脅威が継続しています。近年は、これらの組織と直接的な関係を持たない個人によるテロや、極右過激主義に基づくテロが増加しており、多様化するテロの脅威への対応が課題となっています。特に、オンライン上での過激化や、国内テロリズムへの対策強化が求められています。
-
アルカイダ関連
- 2013年4月:旅客列車脱線テロ計画の摘発
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イラク・レバントのイスラム国(ISIL)関連
- 2014年10月:オタワでの国会議事堂襲撃事件
- 2016年8月:オンタリオ州ストラスロイでの爆弾テロ計画摘発
- 2017年9月:アルバータ州エドモントンでの車両突入・刃物襲撃事件
- 2020年2月:オンタリオ州スカーバローでのハンマー襲撃事件
-
極右過激主義関連
- 2021年6月:オンタリオ州ロンドンでのイスラム教徒一家襲撃事件(4人死亡)
- 国際主義者抵抗イニシアチブ(IRI)
- 2006年8月:企業幹部を狙った放火事件
- イスラム過激主義の影響を受けた個人によるテロの継続
- 極右過激主義に基づくテロの出現
- オンラインでの過激化への懸念
- 「一匹狼」型テロへの対応
- オンラインでの過激化対策
- 多様化するテロの脅威(イスラム過激主義、極右過激主義など)への対応
- 帰還した外国人戦闘員(FTF)への対応
カナダでは、2000年代以降、アルカイダやISILなどのイスラム過激組織の影響を受けたテロ計画や事件が発生しています。近年は、これらの組織と直接的な関係を持たない個人によるテロや、極右過激主義に基づくテロも出現しており、テロの脅威が多様化しています。特に、オンライン上での過激化や、「一匹狼」型テロへの対応が課題となっています。また、帰還した外国人戦闘員への対応も重要な問題となっています。
-
コロンビア革命軍(FARC)
- 1964年:設立
- 2016年9月:政府との和平合意に署名
- 2017年9月:合法政党に移行
- 2021年1月:党名を「コムネス」(Comunes)に変更
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セグンダ・マルケタリア
- 2019年8月:元FARC指導者イバン・マルケスが設立を宣言
- 2021年6月:北部・ノルテ・デ・サンタンデル県での自動車爆弾テロ等を実行
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民族解放軍(ELN)
- 2019年1月:ボゴタの警察学校に対する自動車爆弾テロを実行
- FARC分離派による活動継続
- 米国によるFARC分派組織の外国テロ組織(FTO)指定
- 2021年11月:「セグンダ・マルケタリア」及び「FARC人民軍」をFTOに指定
- ELNとの和平交渉再開
- 2022年8月:新大統領グスタポ・ペトロがELNとの交渉に積極的姿勢
- 2022年11月:ELNとの交渉を正式に再開
- FARC分離派組織への対応
- ELNとの和平交渉の進展
- 元テロリストの社会復帰支援
- 麻薬取引との関連性への対処
コロンビアでは、長年続いた内戦が2016年のFARCとの和平合意により一旦終結しましたが、FARC分離派組織や他の武装組織による活動が継続しています。現在は、ELNとの和平交渉再開など、政治的解決を模索する動きが見られます。一方で、分離派組織によるテロ活動も発生しており、和平プロセスの進展と並行して、テロ対策を継続することが課題となっています。また、元テロリストの社会復帰支援や、テロ組織と麻薬取引との関連性への対処も重要な問題です。
世界各地でテロの脅威は依然として継続しており、その形態や主体は多様化しています。主な傾向として以下が挙げられます:
- イスラム過激組織(ISIL、アルカイダ等)の影響力継続
- 「一匹狼」型テロの増加
- 極右過激主義に基づくテロの台頭
- オンラインでの過激化の進行
- 外国人戦闘員(FTF)の帰還問題
- 地域紛争や民族対立に起因するテロの継続
各国・地域で状況は異なりますが、共通する課題として以下が挙げられます:
- 多様化するテロの脅威への包括的な対応
- オンライン上での過激化防止
- 国際協力の強化
- 社会統合と過激化防止の両立
- テロと他の犯罪(麻薬取引、人身売買等)との関連性への対処
テロ対策においては、軍事的・治安的アプローチだけでなく、社会経済的な要因にも注目し、長期的かつ包括的な戦略が必要とされています。また、人権や自由の尊重とのバランスを取りながら、効果的なテロ対策を実施することが国際社会共通の課題となっています。